はじめに

袋を開けた干し芋の表面に、白い粉がびっしり付いていて、驚いたことはないでしょうか。

カビではないかと心配になり、食べてよいのか迷う方も多いと思います。

干し芋の白い粉は、芋の糖分が表面に出て結晶になったものと説明されています。

ただし、白い粉とカビを見た目だけで見分けるのは難しいことがあり、迷ったときは食べないのが安全です。

本記事では、干し芋の白い粉の正体と、カビとの違い、見た目だけで決めないほうがよい理由を、わかりやすくご説明したいと思います。

あわせて、干し芋の中が白く硬くなる「シロタ」、カビが生える理由と防ぎ方、カビが生えていたときや食べてしまったときの対応もまとめました。

市販の干し芋と、家庭で作った干し芋の両方を対象にしています。

説明は、茨城県、日本いも類研究会、農研機構、農林水産省、生協などの資料をもとにしています。

干し芋の歴史や産地、品種については、干し芋を解説した記事でご紹介しています。

干し芋の白い粉の正体は?糖分(麦芽糖)の結晶と説明されている

干し芋の表面の白い粉は、芋に含まれる糖分(麦芽糖)が表面に出て、結晶になったものと説明されています。

茨城県や日本いも類研究会、生協も、白い粉を糖分として説明しています。

ここでは、各団体の説明と、麦芽糖がどこから来るのか、白い粉の出方に違いがあることをご紹介します。

茨城県・日本いも類研究会・生協の説明

干し芋の白い粉について、公的な機関や団体は次のように説明しています。

茨城県の「茨城をたべよう」は、干し芋の表面の白い粉の正体は糖分なので、食べることができるとしています。

日本いも類研究会は、干し上がった干し芋をきれいなワラと交互に積み上げておくと、表面に白い粉(麦芽糖)が浮いてくると紹介しています。

これは、武田英之『まるごと楽しむサツマイモ百科』(農山漁村文化協会、1990年)で説明された作り方を、同会が要約したものです。

生協の宅配のパルシステムは、白い粉を「白粉」と呼び、芋に含まれる麦芽糖が表面に出て結晶化したものとしています。

コープ北陸事業連合も、さつまいもに含まれる糖分の一種である麦芽糖が結晶化したものと説明しています。

麦芽糖は、蒸す工程ででんぷんから作られる糖

麦芽糖(マルトース)は、さつまいもを加熱したときの甘さに関わる糖のひとつです。

さつまいもを加熱すると、芋に含まれるβ-アミラーゼという酵素が、糊化(こか:でんぷんが熱と水でやわらかく変化すること)したでんぷんを麦芽糖に分解します(日本いも類研究会)。

干し芋は、さつまいもを蒸してから干して作るため、蒸す工程でこの麦芽糖ができます。

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では、「さつまいも 蒸し切干」(干し芋)の可食部100gあたりの水分は22.2gです。

同じ成分表の炭水化物成分表では、麦芽糖は24.4gです。

ただし、成分表の値は食品ごとに分析されたもので、同じ芋を干したときに糖がどう変わるかを示したものではありません。

蒸すと甘くなる仕組みと、干し芋の作り方は、干し芋の作り方を解説した記事でご説明しています。

白い粉は日がたつと増えることがあり、色や手ざわりも一つではない

白い粉は、作ってすぐの干し芋に必ず付いているとはかぎりません。

パルシステムは、白粉は日にちの経過とともに乾燥が進むことで徐々に発生し、進むと干し芋全体を覆うこともあるとしています。

同じ説明の中で、芋の肉質や麦芽糖の含量などに個体差があるため、発生の状態はさまざまだとしています。

基本は白色ですが黄色になる部分もあり、粒状のものやサラサラしたものから、ベタベタしたものまであるそうです。

コープ北陸事業連合も、加工後の日数の経過とともに発生が進み、白くなるもののほか、灰色や黄色っぽい色になるものや、サラサラではなくベタつくものもあるとしています。

糖分の多い食品で、表面に糖が結晶になって出てくるのは、干し芋にかぎった話ではありません。

福岡市保健環境研究所は、糖分を多く含む食品では、製造の過程や保存の状態によって、表面に糖分が結晶化して析出し、それがカビのように見えることがあるようだとしています。

当サイトでは、白い粉そのものの見た目が一つではないことが、カビとの見分けを難しくする理由のひとつと考えています。

干し芋の白い粉とカビの違い|見た目だけで決めないほうがよい理由

干し芋の白い粉とカビの「見分け方」は、インターネット上でも紹介されています。

しかし、白い粉の見た目にも幅があるため、見た目や手ざわりだけで安全かどうかを決めるのは難しいことがあります。

ここでは、カビの可能性があるとされる見た目と、見た目だけで決めないほうがよい理由、迷ったときの考え方をご説明します。

カビの可能性があるとされる見た目(茨城県)

茨城県の「茨城をたべよう」は、白い粉は糖分だとしたうえで、次のような場合はカビの可能性があるので、食べないよう呼びかけています。

  • 白い部分が盛り上がり、白い綿のようになっている
  • 青色・緑色・ピンク・赤茶色の斑点がある

これらに当てはまる干し芋は、食べないでください。

茨城県のページには、においについての記載はありません。

当サイトでは、いつもと違うにおいがするときも、食べないことをおすすめします。

ただし、これらのサインが見当たらないことは、安全の証明にはなりません。

食中毒の原因になる細菌は、食品の見た目やにおいをほとんど変えないことがあるためです。

期限や保存の仕方、開封してからの日数もあわせて判断します(この章の最後で詳しくご説明します)。

「サラサラなら糖、ふわふわならカビ」とは言い切れない

インターネット上では、白い粉とカビを、色や手ざわり、におい、味で見分ける方法が紹介されていることがあります。

たとえば、「サラサラした粉なら糖分、ふわふわした綿のようならカビ」といった見分け方です。

しかし、前の章でご紹介したように、生協の説明では、白い粉(白粉)にも粒状のものやベタベタしたもの、黄色や灰色っぽいものがあるとされています。

手ざわりや色だけで、糖分かカビかを言い切るのは難しいと考えられます。

福岡市保健環境研究所は、乾燥ひじき・栗万頭・柿巻に、カビのような白いものが付いていたという相談や苦情の事例を紹介しています(干し芋の事例ではありません)。

白いものを実体顕微鏡で観察し、成分を調べる機器で分析したところ、乾燥ひじきは糖アルコールの一種のマンニトール、栗万頭と柿巻は砂糖などでした。

白いものが糖分かどうかは、こうした機器を使って確かめられています。

家庭で白い粉とカビを確実に見分ける方法を示した公的な資料は、当サイトでは確認できていません。

そのため当サイトでは、見た目や手ざわりで「糖分だから大丈夫」と判断する方法はおすすめしていません。

確かめるために、なめたり、少しかじったりする味見もしないでください。

白い部分を削り取って中の様子を確かめる方法も、食べるかどうかを決める根拠にはなりません。

カビの部分を取り除いても食べられるようにはならない理由は、後の章「干し芋にカビが生えていたら・食べてしまったら」でご説明します。

迷ったときは、食べないでください。

見た目に異常がなくても、安全の証明にはならない

見た目について、もう一つ大切なことがあります。

カビの可能性があるサインが見当たらないことは、その干し芋が安全だという証明にはなりません。

札幌市保健所は、腐敗をおこす菌とは違い、食中毒菌がついていても、食べ物の味やにおい、見た目は変わらないのが普通だとしています。

そのため、干し芋を食べるかどうかは、見た目だけでなく、保存の履歴もあわせて判断しましょう。

  • 市販の干し芋: 表示された期限を過ぎていないか、表示どおりの方法で保存したか、開封してから何日たったか
  • 手作りの干し芋: いつ作ったか、何日干したか、干している間の天気はどうだったか、どのように保存したか

期限や保存の仕方がわからないときや、白いものがカビかどうか判断できないときは、食べないのが安全です。

見た目やにおいでは判断できない理由は、焼き芋など加熱したさつまいもについて、焼き芋の食中毒と保存の注意点を解説した記事でもご説明しています。

干し芋の中が白く硬い「シロタ」とは|表面の白い粉とは別のもの

干し芋の「白」は、表面の白い粉だけではありません。

切り口や中のほうが白く不透明になって硬くなっている部分は、「シロタ」と呼ばれる品質の障害の可能性があります。

ここでは、シロタについての研究と、表面の白い粉との違いをご紹介します。

シロタ(中白)は、蒸したときに糊化が不十分だった部分

シロタは「中白」とも呼ばれ、干し芋の一部が白く不透明になって硬くなる障害です(農研機構)。

農研機構の研究成果(2006年)は、シロタが出た干し芋は食味が著しく悪くなり、商品価値が失われるとしています。

この障害は、さつまいもが太る時期の畑の乾燥に大きな原因があるとされています。

芋が太る9〜10月に土を乾かすと、芋の水分が低くなり、シロタが多く出ると説明されています(農研機構)。

土が乾くと、芋の中の水分やでんぷんのたまり方にむらができ、蒸す工程ででんぷんの糊化が不十分になった部分がシロタになると考えられています(農研機構)。

同じ芋の中でも、水分の少ない部分にシロタが出ることが、MRI(磁気共鳴画像)を使った分析で示されています(同)。

一方で、生のさつまいもの外観だけでは、どの部分がシロタになるかは識別できないとされています(同)。

品種による違いもあり、でんぷんの含有率が比較的高い「タマユタカ」などで発生しやすかったと報告されています(中村ほか、日本作物学会紀事、2007年)。

でんぷんの少ない「沖縄100号」や、でんぷんが低い温度で糊化する「クイックスイート」などでは、発生が少なかったとしています(同)。

一方、茨城県の「茨城をたべよう」は、ほしいもの種類のひとつとして白太(しろた)を紹介しています。

水分量が少なく硬くなってしまった部分ではあるものの、霧吹きで水を吹きかけて炙って食べると、甘みが増して柔らかくなり、美味しいという声もある人気商品だとしています。

シロタは、研究では品質の障害として調べられている一方で、産地のサイトでは商品のひとつとして紹介されています。

表面の白い粉とシロタは、できる場所も理由も違う

表面の白い粉とシロタは、どちらも「白い」と表現されますが、資料の説明では、できる場所も理由も違います。

項目 表面の白い粉(白粉) シロタ(中白)
見られる場所 干し芋の表面 干し芋の中の一部(切り口に見える)
資料の説明 糖分(麦芽糖)と説明されている。生協は、麦芽糖が表面に出て結晶化したものとしている 蒸したときに糊化が不十分だった、白く不透明で硬い部分
できるとき 作った後、日がたつにつれて増えることがある 原料の芋の育ち方(太る時期の畑の乾燥)が関わる
主な出典 茨城県・日本いも類研究会・生協 農研機構・中村ほか(2007)

この表は資料の説明を並べたもので、見た目で安全かどうかを判定するためのものではありません。

中が白い干し芋でも、白い綿のようなものが盛り上がっていたり、色のある斑点があったりする場合は、食べないでください。

白い部分がシロタなのかカビなのか判断できないときも、食べないのが安全です。

サインが見当たらなくても安全の証明にはならず、細菌は見た目やにおいをほとんど変えないことがあるため、期限や保存の仕方もあわせて判断しましょう。

家庭で干し芋を作るときの品種の選び方やシロタについては、干し芋の作り方を解説した記事でご紹介しています。

生のさつまいもの中が白くスカスカになっているものや、焼き芋・蒸し芋の中心が白っぽく硬いものは、さつまいもが変色する原因を解説した記事でまとめています。

干し芋にカビが生えるのはなぜ?乾いた食品でもカビる理由と防ぎ方

干し芋は乾燥させた食品ですが、カビが生えることがあります。

乾いているように見えても水分が残っていて、乾いた条件を好むカビもいるためです。

ここでは、干し芋にカビが生える理由と、保存するときに気をつけたいことをご説明します。

干し芋は水分が残る食品で、乾いた食品を好むカビもいる

干し芋は、乾かしても水分がなくなるわけではありません。

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年では、「さつまいも 蒸し切干」の水分は可食部100gあたり22.2gです。

茨城県の産地の衛生管理の手引書は、干し芋は糖度が高く、水分活性が低いため、微生物の増殖が抑えられているとしています(ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会)。

水分活性は、食品の中の水のうち、微生物が利用できる水の目安となる値です。

そのうえで、カビが発生する可能性があり、脱酸素剤などで賞味期限を管理しているとしています。

同じ手引書は、干し芋の水分活性を0.73〜0.81としています(第11回ほしいも品評会〔平成29年度(2017年度)〕の検査結果)。

一方、東京都健康安全研究センターの報告は、カビは細菌より低い水分活性で生育でき、菌種によっては0.7程度まで生育するとしています(諸角ほか、2004年)。

当サイトで並べてみると、品評会の検査結果で示された干し芋の水分活性(0.73〜0.81)は、菌種によってはカビが生育できるとされる値(0.7程度)を上回っています。

同じ報告は、著者らが1987年から2002年までの16年間に扱った、都内の保健所に届け出られたカビ・酵母による苦情562事例の検査結果を示しています。

そのうち、乾燥芋の事例は9件でした。

乾燥芋の事例の主な原因菌は、ワレミア(6事例)、ユーロチウム(6事例)、クラドスポリウム(5事例)でした。

同じ報告は、前の2つを、やや乾燥した条件を好むカビ(好乾菌)として挙げています。

未開封でも、冷蔵庫の中でも油断しない

カビは、袋を開ける前の干し芋や、冷蔵庫に入れた干し芋に生えることもあります。

東京都健康安全研究センターの同じ報告は、苦情事例の分析で、脱酸素剤などを入れた食品でカビが生えた原因として、包装材料の小さな穴(ピンホール)や、袋を閉じた部分の不良を挙げています。

また、カビが生育できない水分活性の食品でも、一部の水分活性が高くなったり、温度の変化で結露したりすると、その部分にカビが生えることがあるとしています(同)。

食品安全委員会は、食べ物にカビが生えるのを防ぐポイントとして、次の2つを挙げています。

  • 食べ物は、清潔・低温・乾燥・密閉(空気に触れない)に注意して、正しく保存する
  • 加工食品はパッケージに表示された期限を守り、開封後はなるべく早めに食べきる

東京都健康安全研究センターの同じ報告は、10℃あるいは5℃といった低温での流通・保管は、一部のカビの生育を止め、多くのカビ、特に好乾菌の発生を遅らせる効果があるとしています。

ただし、食品安全委員会は、冷蔵庫の中でも安心できないとしています。

市販の干し芋は、パッケージに表示された保存方法で保管し、期限を守りましょう。

産地の手引書も、冷蔵や冷凍で流通・販売されている商品もあるとして、表示されている保存方法で保管し、賞味期限を守ることも必要としています。

干し芋の保存期間を、常温・冷蔵・冷凍ごとに示した公的な資料は、当サイトでは確認できていません。

食べきれない干し芋を冷凍するときの包み方や解凍の仕方は、干し芋の冷凍保存を解説した記事でご紹介しています。

干し芋にカビが生えていたら・食べてしまったら

干し芋にカビが生えていたときは、もったいなくても食べないのが基本です。

カビの部分を取り除いても、加熱しても、安全に食べられるようにはならないと考えられるためです。

ここでは、その理由と、市販品でカビを見つけたとき、食べてしまったときの対応をご説明します。

カビの部分を取り除いても、加熱しても食べない

カビが生えた干し芋は、その部分を取り除いたり、加熱したりしても、食べないでください。

農林水産省は、餅を例に、カビの部分を取り除いても見えるカビがなくなっただけで、見えないカビが内部や表面にまだ残っている可能性が十分あるとしています。

また、かび毒(カビが作る毒)は熱に強いものが多く、ゆでる、焼くなどの通常の調理条件では分解しないとしています。

農林水産省は、食品を通して体内に取り込むかび毒がごくわずかであっても、長い間、何度もとり続けた場合には、健康に悪影響を及ぼす可能性があるとしています。

そのうえで、これまで健康上の問題が起きていない場合でも、カビが生えた食品は食べないよう呼びかけています。

食品安全委員会も、見えているカビを取り除いても、カビやかび毒が残っているかもしれず、かび毒は加熱ではなくならないとしています。

なお、農林水産省は、食品に生えるすべての種類のカビが有害なかび毒を作るわけではないとしています。

そのうえで、日本にもアフラトキシンなど毒性の強いかび毒を作る種類のカビが、環境中にいることが確認されているとしています。

大津市保健所は、カビにかび毒が含まれているかどうかは、見た目では判断できないとしています。

色や形にかかわらず、カビが生えたものは食べないようにしましょう。

市販の干し芋にカビがあったら、購入先や製造者に連絡する

買ってきた干し芋や、もらった干し芋にカビのようなものを見つけたら、食べずに、購入先や製造者に連絡しましょう。

東京都多摩立川保健所の案内は、食品に異物が入っていたときや、味やにおいに異常を感じたときは、販売先や製造者に連絡し、一緒に事実を確認して原因を調べてもらうよう呼びかけています。

その際、食品の残りはできるだけ見つけたときの状態のまま保ち、購入時のレシートや包装も捨てずに保管しておくよう案内しています。

健康被害がある場合は最初に医療機関を受診し、健康被害が出た場合などは保健所に連絡するよう呼びかけています(同)。

製造者の連絡先や期限、保存方法は、袋の表示で確かめられます。

食べてしまったときは、体調の変化に気をつける

カビの生えた干し芋を食べてしまったと気づいたら、それ以上は食べないでください。

東京都多摩立川保健所の案内は、食事が原因で体の具合が悪くなったと思われるときは、最初に医療機関を受診し、食事が原因と疑われる場合は保健所に相談するよう呼びかけています。

原因と疑われる食品が残っている場合は、捨てずに取っておくと、その後の調査に役立つ場合があるとしています(同)。

札幌市保健所も、腹痛や下痢、おう吐などの症状が現れ、食べ物が原因と思われる場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、保健所または保健センターにも相談するよう案内しています。

同保健所は、症状が悪化することがあるため、自己判断で下痢止めなどの市販薬を飲まないよう注意しています。

食べた量や体調に応じて、受診が必要かどうかを当サイトで判断することはできません。

持病のある方や妊娠中の方、小さなお子さんや高齢の方が食べてしまい、心配な場合は、医師に相談してください。

よくある質問

干し芋の白い粉とカビについて、よく調べられている質問にお答えします。

いずれも、本文でご説明した内容を短くまとめたものです。

Q1. 干し芋の白い粉は食べても大丈夫ですか?

茨城県の「茨城をたべよう」は、干し芋の表面の白い粉の正体は糖分なので、食べることができるとしています。

ただし、白い部分が盛り上がって白い綿のようになっていたり、青色・緑色・ピンク・赤茶色の斑点があったりする場合は、カビの可能性があるので食べないよう呼びかけています。

白い粉とカビを見た目だけで見分けるのは難しいことがあるため、迷ったときは食べないでください。

また、こうしたサインが見当たらなくても安全の証明にはならず、細菌は見た目やにおいをほとんど変えないことがあるため、期限や保存の仕方もあわせて判断しましょう。

Q2. 白い粉が多い干し芋ほど、甘くておいしいのですか?

白い粉の量で、干し芋の甘さや品質を判断できることを示した資料は、当サイトでは確認できていません。

当サイトで確認した資料では、茨城県が白い粉を糖分、日本いも類研究会と生協が麦芽糖と説明していますが、いずれも量と甘さの関係には触れていません。

生協は、白い粉の出方には個体差があるとしています。

Q3. 白い粉が出てきたのは、古くなったサインですか?

生協の説明では、白い粉は日にちの経過とともに乾燥が進むことで、徐々に発生するとされています。

ただし、白い粉の有無で、期限が過ぎたかどうかや、食べても安全かどうかを判断することはできません。

市販の干し芋は、パッケージに表示された期限と保存方法を確かめてください。

Q4. 白い粉が付いていない干し芋があるのはなぜですか?

パルシステムは、芋の肉質や麦芽糖の含量などに個体差があるため、白い粉の発生の状態はさまざまだとしています。

また、白い粉は日がたつにつれて出てくるとされているため、作ってからの日数によっても違うと考えられます。

白い粉が付いていないことも、付いていることも、それだけで品質や安全を表すものではありません。

Q5. 手作りの干し芋に、白い粉をふかせる方法はありますか?

日本いも類研究会は、干し上がった干し芋をきれいなワラと交互に積み上げておくと、白い粉(麦芽糖)が浮いてくると紹介しています。

これは書籍の作り方を要約したもので、ワラと積み上げておく期間や温度、場所などの条件は示されていません。

同じページは、干す時期が早いと暖かくてカビが生えるので、注意が必要なようだとしています。

手作りの干し芋は、市販品のように脱酸素剤などを入れて包装していないため、置いておく間のカビにも注意が必要です。

家庭で干し芋を作るときのカビを防ぐ注意は、干し芋の作り方を解説した記事でまとめています。

Q6. 干し柿の白い粉と同じものですか?

どちらも糖分が表面に出て結晶になったものと説明されていますが、資料が挙げている糖の種類は異なります。

福岡市保健環境研究所は、干し柿の白い粉について、果肉に含まれる糖分(主にブドウ糖・果糖)が表面ににじみ出て、乾燥して濃縮され、結晶化したものとしています。

干し芋の白い粉は、日本いも類研究会や生協が麦芽糖と説明しています。

まとめ

干し芋の白い粉は、芋の糖分(麦芽糖)が表面で結晶になったものと説明されています。

一方で、白い粉にも色や手ざわりの幅があり、見た目だけでカビと見分けるのは難しいことがあります。

本記事の要点を整理します。

  • 干し芋の表面の白い粉は、茨城県が糖分、日本いも類研究会と生協が麦芽糖と説明し、生協は麦芽糖が結晶化したものとしています。麦芽糖は、蒸す工程ででんぷんから作られます。
  • 白い粉は日がたつにつれて増えることがあり、白色だけでなく黄色や灰色っぽいもの、粒状やベタベタしたものもあるとされています。
  • 白い部分が綿のように盛り上がっている、青・緑・ピンク・赤茶色の斑点がある場合は、カビの可能性があるため食べないでください。
  • 見た目や手ざわり、味見で白い粉とカビを決めず、迷ったときは食べないようにしましょう。サインが見当たらなくても安全の証明にはならず、細菌は見た目やにおいをほとんど変えないことがあるため、期限や保存の仕方もあわせて判断します。
  • 干し芋の中が白く硬いのは「シロタ」と呼ばれる品質の障害の可能性があり、表面の白い粉とはできる場所も理由も違います。
  • 干し芋は乾燥した食品ですが、水分が残り、乾いた条件を好むカビもいます。未開封でも、冷蔵庫の中でもカビが生えることがあるため、表示の保存方法と期限を守りましょう。
  • カビが生えたものは、取り除いたり加熱したりせずに、食べないでください。市販品は購入先や製造者に連絡し、食べてしまって体調が気になるときは医療機関を受診しましょう。

干し芋の歴史や産地、品種は、干し芋を解説した記事でご紹介しています。

干し芋のほか、さつまいもを使ったお菓子や加工品は、さつまいものお菓子を一覧で紹介した記事でまとめています。

参考資料

本記事の作成にあたって参照した資料です。