買い置きしたさつまいもを、しばらくして取り出したら芽が出ていた。そんな経験はないでしょうか。じゃがいもの芽には毒があるとよく聞くため、さつまいもも同じように危ないのではないかと、不安になる方は少なくありません。

結論からお伝えすると、さつまいもの芽そのものに毒性はありません。ただし「芽が出ているから安全」と単純に言い切れるわけでもなく、いも自体の状態は別に確かめる必要があります。

本記事では、芽が出たさつまいもをどう判断すればよいのか、そもそもなぜ芽が出るのか、そして芽を出さないためにどう保存すればよいのかを、一次情報をもとに順を追ってご説明します。あわせて、インターネット上で広く見かける誤った説明についても整理しました。

さつまいもの芽は食べられる?まず結論から

さつまいもに芽が出たとき、多くの方がまず知りたいのは「食べていいのかどうか」だと思います。ここでは、芽そのものの安全性と、それとは別に確認しておきたいいも本体の状態について、順にご説明します。判断の軸は2つあると考えると、整理しやすくなります。

芽そのものに毒性はない

さつまいもの芽には、じゃがいもの芽のような自然毒は含まれていません。芽が出たという理由だけで、いもを捨てる必要はないということです。

葉やつるについても同じで、毒性は知られていません。ただし食用としての扱いには、地域によって大きな差があります。

在来の品種は茎葉のアクや青臭さが強く、本土の多くの地域では食材として一般的ではありませんでした。戦時中に食べられたことは知られていますが、非常食として飢えをしのぐ面が大きかったと言われています。

一方、沖縄では事情が異なります。芋の葉を使った郷土料理が伝えられており、夏場の葉野菜として日常的に利用されてきた歴史があります。「さつまいもの茎葉は食べない」というのは、あくまで本土での話だと考えたほうが正確です。

現在は、茎葉のえぐみと青臭さを品種改良で抑え、葉や葉柄をおいしく食べられるようにした「すいおう」という品種も育成されています(農研機構 九州沖縄農業研究センター)。夏に不足しがちな葉物野菜としても注目されている品種です。

つまり、健全な状態のさつまいもであれば、部位によって毒性を心配する必要はありません。ただしこれは、病害を受けていない場合の話です。後ほど触れる黒斑病のように、病気にかかると有毒成分を生じることがあります。

ただし「芽が出た芋」がすべて食べられるとは限らない

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。芽に毒がないことと、そのいもが食べられる状態かどうかは、まったく別の問題です。

芽が出たさつまいもは、長く保存されていた場合もあれば、比較的短期間でも暖かい場所に置かれていた場合もあります。いずれにせよ、いもにとって快適とは言えない環境に置かれていた可能性が高く、その間にカビが生えたり、傷みが進んだりしていることもあります。

判断は芽ではなく、いも本体の状態で行ってください。表面や切り口に黒ずみや斑点がある、カビが見える、異臭がする、押すと柔らかい、といった場合は、芽の有無にかかわらず食べないほうが安全です。

具体的な見分け方は「芽が出たさつまいもの扱い方」の章でご説明します。ふだんの選び方については新鮮なさつまいもの見分け方もあわせてご参照ください。

なぜじゃがいもの芽は危険で、さつまいもは違うのか

「芋の芽は毒」というイメージは、じゃがいもの印象から広まったものです。では、なぜ同じ「芋」と呼ばれながら、さつまいもには当てはまらないのでしょうか。ここでは、その理由を植物としての分類から見ていきます。あわせて、インターネット上でよく見かける誤解も整理しておきます。

ナス科とヒルガオ科という分類の違い

じゃがいもとさつまいもは、名前も見た目も似ていますが、植物としてはまったく別の系統に属します。じゃがいもはナス科、さつまいも(学名 Ipomoea batatas)はヒルガオ科の植物です。ヒルガオ科は、朝顔と同じ仲間だと言えばイメージしやすいかもしれません。

ナス科の植物には、グリコアルカロイドと呼ばれる天然毒素を含むものがあります。じゃがいもの場合、芽の部分や、光に当たって緑色になった皮に、α-ソラニンやα-チャコニンといった成分が多く含まれることが知られています。

これらの成分は加熱しても分解されにくいため、じゃがいもの芽と緑色の部分は取り除く必要があります。厚生労働省も、じゃがいもによる食中毒への注意を継続的に呼びかけています。

一方、ヒルガオ科のさつまいもには、こうした成分は含まれていません。「芋の芽は毒」というイメージは、じゃがいも由来の知識がさつまいもに持ち込まれたものだと考えられます。さつまいもという作物そのものについては、さつまいもという作物の成り立ちで詳しくご説明しています。

さつまいもは「塊根」、じゃがいもは「塊茎」

ここで、よく見かける説明を一つ整理しておきたいと思います。「さつまいもは担根体(たんこんたい)だから芽が出る」という記述を目にすることがありますが、これは正確ではありません。

私たちが「いも」と呼んでいるものは、植物のどの部分が太ったものかによって、いくつかの種類に分かれます。

いもの種類何が太ったものか代表例
塊根(かいこん)根が肥大したものさつまいも、ダリア
塊茎(かいけい)地下茎が肥大したものじゃがいも、菊芋
担根体(たんこんたい)根でも茎でもない器官自然薯、長いも

さつまいもの「いも」は根が肥大した塊根です(日本いも類研究会『サツマイモ事典』/日本植物生理学会)。じゃがいもは茎が肥大した塊茎で、表面にある「芽」は、もともと茎にある芽と同じものです。じゃがいもの芽を深くえぐり取る必要があるのは、そこが茎の構造を持っているためでもあります。

なお、担根体という語は、自然薯や長いもなどヤマノイモの地下器官を指して使われることがあります。ただしこの用語自体はヤマノイモだけのものではなく、イワヒバの仲間など、まったく別の植物にも用いられます。いずれにせよ、さつまいもには当てはまりません。

さつまいもから芽が出るのは、担根体だからではなく、さつまいもという作物がもともと持っている性質によるものです。

さつまいもに芽が出る原因は「温度」

芽が出た理由を「保存が長すぎたから」とだけ考えている方は多いかもしれません。しかし実際には、期間よりも温度のほうが大きく影響します。ここでは、さつまいもがどのくらいの温度で動き出すのか、そしてなぜ資料によって数値が違うのかを見ていきます。

15〜16℃を超えると発芽しやすくなる

さつまいもは、収穫されたあともゆっくり呼吸を続けている生きた作物です。そして、置かれている温度によって「休む」か「動き出す」かが変わります。

温度帯さつまいもの状態
おおむね10〜13℃以下低温障害(冷害)の危険が高まる
おおむね13〜15℃品質を保ちやすい(貯蔵に適する)
おおむね15〜16℃以上発芽・発根が起こりやすくなる

日本いも類研究会の『さつまいもMiNi白書』では、9℃以下で冷害を受け、10〜15℃では落ち着いた状態を保ち、16℃以上になると発芽・発根を始めるとされています。農畜産業振興機構も、種いもは16℃以上で萌芽すると説明しています。

農家がさつまいもの苗を育てるときは、まさにこの性質を利用します。種いもを温かい苗床に伏せ込み、意図的に芽を出させて、伸びたつるを切り取って苗にするのです。つまり家庭で芽が出るのは、さつまいもが本来の性質を発揮しただけということになります。異常が起きているわけではありません。

資料によって数値が違うのはなぜか

さつまいもの保存温度を調べていると、サイトや資料によって数値が食い違っていることに気づかれるかもしれません。混乱しやすい部分なので、ここで整理しておきます。

たとえば低温障害が始まる温度について、国内の資料では「9℃以下」とされることが多い一方、カリフォルニア大学デービス校の収穫後研究センターは「12.5℃以下で非常に敏感」としています。3℃以上の開きがあります。

この違いは、どちらかが間違っているという話ではありません。次のような要因で結果が変わるためです。

  • 品種による差:低温への強さは品種ごとに異なります
  • さらされた期間:同じ温度でも、数日と数か月では影響がまったく違います
  • 何をもって障害とするか:腐敗の発生を基準にするか、加熱後の食感の変化まで含めるかで数値は変わります
  • 貯蔵の目的:業務用の長期貯蔵を想定した数値か、家庭での短期保存かでも推奨値は変わります

したがって、これらの数値は厳密な境界線というより、管理上の目安とお考えください。家庭では、13℃を下回らず15℃を超えない範囲を狙い、そこから多少ずれても神経質になりすぎない、という程度で十分です。

冷蔵庫を避けたつもりが、暖かすぎた

さつまいもが低温に弱いことは、比較的よく知られています。そのため「冷蔵庫はやめておこう」と、室内の棚や台所の隅に置く方が多いのではないでしょうか。

ところが、ここに落とし穴があります。暖房の効いた部屋や、冷蔵庫の上のように放熱で温まりやすい場所は、冬でも15℃を超えることが珍しくありません。低温障害を避けようとした結果、今度は発芽の条件を満たしてしまうわけです。

ちなみに、低温障害とは具体的に何が起きるのかをご存じでしょうか。冷やしすぎたさつまいもは、内部が褐色から黒っぽく変色し、腐敗しやすくなります。さらに厄介なのが、加熱しても硬いままの部分が残るという現象です。焼いても蒸しても、その部分だけ煮えていないような食感になり、風味も落ちます。「冷蔵庫に入れたら味が変わった」という経験の多くは、これが原因だと考えられます。

つまり、さつまいもの保存は下にも上にも注意が要るということです。低すぎれば低温障害、高すぎれば発芽と品質低下。この2つの間の狭い帯を狙う必要があります。冷蔵庫を使ってよい場合とそうでない場合については、さつまいもを冷蔵庫で保存してよいかで詳しく扱っています。

芽が出たさつまいもは味が落ちる?

芽が出たさつまいもは食べられます。ただし、おいしさの面では変化が起きています。ここでは何がどう変わるのかを、でんぷんと糖に分けてご説明します。この2つは同じ動きをしないため、分けて考えると理解しやすくなります。

でんぷんは減り、水分も失われやすい

さつまいもの塊根は、植物にとっての貯蔵庫です。次の世代を育てるためのでんぷんが、たっぷり蓄えられています。

芽が伸びるということは、その貯蔵庫から養分が引き出され、芽の成長に使われている状態です。そのため、芽が伸びるほど、いも本体のでんぷんは目減りしていきます。

加えて、水分も失われやすくなります。芽から水分が蒸散するためで、長く置いた芋がしなびてくるのはこのためです。食感がパサついたり、筋っぽく感じられたりする原因にもなります。

糖はむしろ増えることもある。でも甘くはならない

ここが少しややこしい部分です。「でんぷんが減るなら糖も減る」と考えたくなりますが、実際にはそう単純ではありません。

発芽の過程では、いもの中の酵素が働いてでんぷんを糖に分解します。そのため、いもに含まれる遊離した糖の量は、条件によってはむしろ増えることがあります。

それでも、焼いたときに甘くならないのはなぜでしょうか。理由は、焼き芋の甘さの生まれ方にあります。

焼き芋の強い甘さは、もともと芋に含まれている糖ではなく、加熱中に新しく作られる糖によるものです。β-アミラーゼという酵素が、加熱の過程ででんぷんを麦芽糖に変えていきます。このとき、材料となるでんぷんが多いほど、たくさんの糖が作られます。

つまり、芽が伸びてでんぷんが減っているということは、加熱時に甘さを作る材料が減っているということです。貯蔵中に遊離糖が多少増えていたとしても、焼き芋にしたときの甘さの差を埋めるほどではありません。

このあたりの仕組みは、熟成・糊化・糖化のちがいで詳しくご説明しています。あわせてホクホク系とねっとり系の違いも、でんぷんと糖の関係を理解する助けになるかと思います。

焼き芋より、味をつける料理に向く

こうした変化を踏まえると、芽が出たさつまいもは、素材そのものの甘さを主役にする料理には向きにくくなります。焼き芋やふかし芋は、いもの甘さがそのまま出るぶん、物足りなさを感じやすいかもしれません。

代わりに、次のような料理に回すと、変化が気になりにくくなります。

  • 味噌汁や煮物:だしや調味料の味が主役になります
  • カレーやシチューの具材:他の食材の風味が補ってくれます
  • 砂糖を加えるお菓子:スイートポテトなど、甘さを足す料理は影響を受けにくくなります
  • 揚げ物:油のコクが物足りなさを補います

食感のパサつきが気になる場合は、水分を含む調理法(煮る・蒸す)のほうが、焼くより仕上がりが安定します。

芽が出たさつまいもの扱い方

ここからは実際の手順です。芽の処理のしかた、黒い変色をどう考えるか、そして食べずに処分したほうがよい状態を、順にご説明します。安全に関わる部分ですので、3つあわせてお読みください

芽の取り方

さつまいもの芽は、じゃがいものように深くえぐり取る必要はありません。毒性がないため、根元から切り落とすか、ピーラーの芽取り部分で削る程度で問題ありません。

数本程度の短い芽であれば、手で折り取ることもできます。太く育ってしまった場合は、その周辺ごと包丁で切り落としてください。ひげ根が出ている場合も同様に、取り除いてから調理します。

芽そのものを食べたい場合は、筋があるので取り除き、下ゆでしてから炒め物などに使う方法があります。ただし在来品種の茎葉はアクが強めなので、必ず下ゆでしてからお使いください。

黒い変色の原因はひとつではない

さつまいもの黒ずみを見つけると、すべて危険なもののように感じてしまいますが、原因はいくつかあります。

原因よくある見え方
切り口の変色切ってしばらく置くと断面が黒ずむ。ポリフェノールの一種が酸化したもの
低温障害内部が褐色から黒っぽくなる。加熱しても硬い部分が残ることがある
表面だけの軽い病斑表皮に暗い斑点が出るが、内部までは進んでいない
黒斑病へこんだ黒い病斑。切ると内部にも及び、強い苦味を伴うことがある

このうち、切り口の変色は品質上の問題が小さいものです。詳しくはさつまいもを水にさらす理由でご説明しています。

問題は、残りの3つが外から見ただけでは区別しにくいことです。低温障害も黒斑病も内部で進行するため、切ってみて初めて気づくことがあります。表面の斑点が浅いのか深いのかも、切らなければ分かりません。

つまり、「黒くても大丈夫な場合がある」ことは事実ですが、どれに当たるかを家庭で見分けるのは難しいというのが実情です。だからこそ、次にご説明する基準では安全側に寄せています。

食べずに処分したほうがよい状態

次のような状態が見られる場合は、食べずに処分することをおすすめします。

  • 断面や表皮に黒い斑点、黒ずみ、へこんだ病斑がある
  • 白や青緑のカビが生えている
  • カビ臭さ、酸っぱいにおい、土とは違う異臭がする
  • 押すと柔らかい、汁が出る、ぬめりがある
  • 口に入れて強い苦味を感じる

特に注意していただきたいのが、黒斑病(こくはんびょう)という病害です。カビの一種が原因で、イポメアマロンなどの成分を生じます。

このイポメアマロンについて、「加熱しても分解されない」と書かれているのを見かけますが、これは正確ではありません。査読論文では、電子レンジやオーブンでの加熱により約90%が分解されたと報告されています。

ただし、だから安全になるわけではありません。同じ研究で、4-イポメアノールという別の成分は、イポメアマロンより熱に安定であることも示されています。さらに別の研究では、病斑の周囲の見た目には健全に見える部分にも、これらの成分が蓄積している場合があることが確認されています。

まとめると、次のようになります。

  • 加熱すれば一部の成分は減るが、より熱に強い成分も存在する
  • 変色部分を切り取っても、周囲に成分が広がっている可能性がある
  • したがって、加熱も切除も安全対策にはならない

「悪いところを取り除けば大丈夫」とは考えず、病害が疑われる場合は食べないという判断をおすすめします。

そしてもう一点、重要なことがあります。これらのサインが見当たらないことは、安全であることの証明にはなりません。前の節でご説明したとおり、低温障害や病害は外からは分からず、切ってみて初めて内部の変色に気づくこともあります。農林水産省も、食品が安全かどうかは変色やにおい、味では必ずしも判断できず、見ても嗅いでも分からないことが多いと注意を促しています。

見た目に加えて、どのくらいの期間、どんな場所で保存していたかという履歴もあわせて考えてみてください。判断がつかないときは、無理をせず処分するのが安全です。傷みの見分け方については傷んださつまいも・焼き芋の見分け方で詳しくご説明しています。

芽を出さないための保存方法

最後に、そもそも芽を出さないための保存についてご説明します。前の章で見たとおり、かぎになるのは温度帯です。ここでは公的機関が示している数値と、家庭でそれをどう実現するかを整理します。

適温は13〜15℃、湿度は高めに

農林水産省「消費者の部屋」では、さつまいもの保存の適正温度を13〜14℃とし、低温に長く置くと腐敗しやすく、15℃以上では皮色の劣化や萌芽が見られると説明されています。農研機構も、貯蔵に適した条件を13〜14℃・湿度90%前後としています。

日本いも類研究会では、貯蔵適温を13〜15℃、湿度80〜90%と紹介しています。出典によって多少の幅はありますが、おおむね13〜15℃のあいだを目安と考えてよさそうです。

湿度が高めというのは意外に思われるかもしれませんが、さつまいもは乾燥にも弱い作物です。湿度が低い環境ではしなびて重量が減り、食感も悪くなります。温度だけでなく、適度な湿り気を保つことも意識してみてください。

洗わないほうがよい理由

「保存前に洗わない」というのは、さつまいもの保存で必ず出てくる注意点です。ではなぜでしょうか。

理由は、表皮を傷つけないこと濡らさないことの2つにあります。

さつまいもの表皮は、内部を守るバリアの役割を果たしています。洗うとき、特にたわしなどでこすると、この表皮に細かい傷がつきます。傷は病原菌の侵入口になり、そこから傷みが進みます。

また、濡れた状態は微生物にとって好都合な環境です。表面に水分が残ったまま保存すると、カビが発生しやすくなります。

産地では、収穫後に「キュアリング」という処理を行うことがあります。高温多湿の環境に一定期間置くことで、収穫時にできた傷口を自然にふさがせる方法です。表皮の健全さがそれだけ重視されている、ということでもあります。

家庭では、次のようにしてください。

  • 保存前は洗わない
  • 大きな土のかたまりは、表皮をこすらない程度に手で落とす
  • どうしても濡れてしまった場合は、しっかり乾かしてから保存する

家庭での置き場所と包み方

家庭でこの条件を厳密に再現するのは難しいものですが、次の3点を押さえるだけでも状態はかなり変わります。

  1. 洗わずに保存する(前節でご説明したとおりです)
  2. 1本ずつ新聞紙で包む。乾燥を防ぎつつ、余分な湿気を吸ってくれます。キッチンペーパーでも代用できます
  3. 通気性のある容器に入れる。段ボールや紙袋が向いています。ビニール袋は湿気がこもり、傷みの原因になります

置き場所は、暖房の当たらない廊下や北側の部屋、床下収納、階段下の収納などが向いています。冷蔵庫の上や暖房の効いた部屋は冬でも温まりやすいため、避けたほうが無難です。

反対に、屋外や凍える玄関では低温障害の心配が出てきます。真冬に冷え込む地域では、屋内の暖房が届かない場所を探すのがちょうどよいバランスになります。

日持ちの目安についてはさつまいも・焼き芋の日持ちの目安をご参照ください。

さつまいもの芽についてよくある質問

ここでは、さつまいもの芽に関して寄せられることの多い疑問にお答えします。

Q1. 芽や葉、つるは食べられますか?

いずれも毒性はありません。芽は筋を取り、下ゆでしてから炒め物などに使うと食べやすくなります。葉やつるは、天ぷらやおひたしとして利用されてきました。ただし一般の品種は茎葉のアクが強めなので、下ゆでは省かないほうがよいでしょう。

Q2. 芽が出るまで、どのくらいの期間がかかりますか?

一概には言えません。品種や保存温度、収穫からの日数によって大きく変わるためです。15℃を超える環境なら数週間で動き出すこともあれば、適温で保管されていれば数か月芽が出ないこともあります。「何日で芽が出る」という目安より、置いている場所の温度を気にするほうが実用的です。

Q3. 芽が出たさつまいもを植えたら育ちますか?

条件が合えば育ちます。農家の育苗も、種いもから芽を出させてつるを取る方法です。ただし家庭菜園では、植え付けの時期や肥料の与え方など、収穫までの管理に知識が要ります。特に肥料が多すぎると、つるばかり伸びていもが太らない「つるぼけ」という状態になります。詳しくはさつまいも栽培のつるぼけ対策をご参考にどうぞ。

Q4. 水に挿して芽を伸ばすのは大丈夫ですか?

観賞用として楽しむ分には問題ありません。ヒルガオ科らしい葉が伸びて、見た目にも楽しめます。ただし水に挿している間、いも本体の養分は使われ続けるため、あとから食べようと思っても味は落ちています。食べる目的なら、早めに調理するほうがよいでしょう。

Q5. 冷凍すれば芽が出るのを止められますか?

生のさつまいもをそのまま冷凍すると、解凍時に食感が大きく損なわれます。芽を止める目的で冷凍するのはおすすめできません。冷凍する場合は、加熱してから冷凍するのが基本です。詳しくは焼き芋を上手に冷凍する方法をご覧ください。

Q6. 焼き芋に芽がついていたらどうすればいいですか?

加熱済みの焼き芋に芽が見えることもあります。毒性の心配はありませんが、食感が硬く風味も落ちているため、その部分は取り除いて食べるのが無難です。

まとめ

さつまいもに芽が出たときの考え方を、最後に整理しておきます。

安全性について

  • さつまいもの芽そのものに毒性はありません。ヒルガオ科であり、ナス科のじゃがいもとは含まれる成分が異なります
  • 判断は芽ではなく、いも本体の状態で行ってください。カビ・異臭・黒い斑点・強い苦味があれば食べないのが安全です
  • ただし、これらのサインがないことは安全の証明にはなりません。保存の履歴もあわせて考えてください
  • 病害が疑われる場合、加熱や部分的な切除は安全対策になりません

なぜ芽が出るのか

  • 主な原因は保存期間ではなく温度です。おおむね15〜16℃を超えると発芽しやすくなります
  • 資料によって数値に幅がありますが、これは品種や期間の違いによるものです。厳密な境界線ではなく目安とお考えください

味と保存について

  • 芽が伸びるとでんぷんが減るため、焼き芋にしたときの甘さは出にくくなります。味をつける料理に回すのがおすすめです
  • 保存は13〜15℃前後・湿度高めが目安。低すぎれば低温障害、高すぎれば発芽と、上下どちらにも注意が必要です
  • 保存前に洗わないこと、新聞紙で包んで通気性のある容器に入れることで、状態はかなり変わります

芽が出たさつまいもは、失敗作ではありません。その芋が生きている証でもあります。状態を確かめたうえで、おいしく使い切っていただければ幸いです。

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