
家庭菜園でサツマイモを育てていて、ツルや葉が元気いっぱいに育ったのに、いざ収穫してみたら肝心のサツマイモがほとんど大きくなっていなかった。
そんな経験はありませんか?
これは「つるぼけ」と呼ばれる現象で、栽培者にとって頭を悩ませる問題です。
本記事では、サツマイモのつるぼけとは何か、その原因と防止策、さらに栽培中の管理のコツまで、専門家の知見も交えながらやさしく解説します。
毎年栽培していても起こり得る失敗を事前に防ぎ、しっかりとおいしいサツマイモを収穫できるよう、一緒にポイントを押さえていきましょう。
つるぼけとは何?どんな状態?

つるぼけとは、サツマイモの茎葉(ツルと葉)ばかりが旺盛に生長し、肝心のイモ(塊根)が十分に肥大しない生育不良の状態を指します。
一見すると葉やツルが青々と茂っているため順調に育っているように見えますが、光合成で作られた養分がイモではなく茎葉の成長に優先的に使われてしまい、地下のイモまで届かなくなっているのです。
その結果、株元のサツマイモは十分に肥大できず、収穫してみると細長く貧弱なイモしかついていない、といった状態になります。
品質的にも水っぽく甘味がのらないなど劣る傾向があり、収量・品質ともに大きなダメージとなります。
つるぼけは病気ではなく、生育環境や栽培管理のアンバランスから生じる生理現象です。
サツマイモは養分吸収力が強く、やせ地でも育ちやすい作物で、必要以上の肥料を与えなくても十分に成長できる「省肥性」の野菜です。
肥料を与えすぎると根よりも茎葉が過剰に茂ってしまい、典型的なつるぼけ状態を招く場合があります。
ただし「肥料が不要」という意味ではなく、適量の施肥は収量を高めます。
窒素が過剰になると地上部ばかりが茂り、塊根の肥大が抑えられる「つるぼけ」を招きやすくなります。
特に他の野菜と同じ感覚で肥料を施してしまった初心者に多い失敗例で、「見た目は畑一面に立派なツルが茂っているのに、掘ってみたら肝心のイモが全然太っていなかった…」というケースが少なくありません。
中級者以上の方でも、天候不順や土壌条件によっては毎年のようにつるぼけが発生してしまうことがあります。
一度つるぼけ状態になると、そのシーズン中に元に戻すことは困難です。
イモの肥大時期を逃してしまうため、取り返しがつかなくなってしまうのです。
このため、つるぼけは発生させない予防策が何より重要になります。次章では、つるぼけを引き起こす主な原因を詳しく見ていきましょう。
つるぼけの主な原因

サツマイモのつるぼけは様々な要因によって引き起こされますが、主に肥料(特に窒素)の過多と土壌・環境条件の不良が大きな原因です。
以下に、考えられる主な原因を挙げ、それぞれどういった状況で起こるかを解説します。
【原因1】窒素肥料の過多(肥料の効かせすぎ)

サツマイモに窒素分を与えすぎると茎葉ばかりが旺盛に成長し、地下のイモの形成・肥大が抑制されます。
特に植え付け初期から窒素過多の状態だと、最初に伸びた根が塊根(イモ)に分化せず、吸収根のまま終わってしまうため後々までイモが太らなくなります。
油かすなど窒素分の多い有機質肥料を多用するとこの現象を起こしやすく注意が必要です。
実際、土壌中の窒素分が過剰であることがサツマイモのつるぼけ発症の最大の原因だとされています。
また冬にキャベツなど葉菜類に肥料をたっぷり施した畑では窒素分が土中に残り、サツマイモ栽培には不向きです。
そういった畑でサツマイモを作付けすると、肥料分が多すぎてツルばかり茂りイモが太らない「つるボケ」になってしまう、とJAも注意喚起しています。
【原因2】前作からの残肥(肥料分の持ち越し)
上記と関連しますが、サツマイモを植える前の作物で施した肥料(特に窒素成分)が土壌中に残っている場合も要注意です。
葉物野菜など肥料を多く必要とする作物の後作では土に窒素が多く残るため、サツマイモ栽培時は肥料無施用にするくらいでちょうど良いと専門家はアドバイスしています。
前作が白菜やキャベツなどの場合は、地力が高まりすぎてサツマイモには過剰になる傾向があります。
同じ畑でサツマイモを連作する場合も、前年までの施肥量を踏まえて窒素成分を減らさないと、徐々に地力が積み重なってつるぼけを誘発します。
【原因3】日照不足(特に生育初期の気象条件)

サツマイモは日当たりを非常に好む作物で、植え付け直後から十分な日照が得られないと発根が停滞し、その後のイモの肥大開始が遅れることがわかっています。
生育初期に日照が不足すると、その後に茎葉だけが徒長気味に伸びてしまい、結果としてつるぼけをもたらすことがあります。
実際に梅雨時期など曇天・雨天が続く年は要注意で、初期成育が不十分なまま高温期に入ると、株は地上部の繁茂に偏ってイモが肥大しにくくなります。
反対に、生育後期(8~9月以降)の日照不足も光合成産物の生産低下を招き、イモへの養分蓄積が進まなくなるため、結果的につるぼけに似た状態(収量の極端な低下)につながります。
【原因4】過湿な土壌・排水不良
サツマイモは乾燥には比較的強い一方で、過剰な湿気や水はけの悪い環境は大の苦手です。
土壌が常に過湿状態にあると土中の酸素量が不足して根の呼吸が妨げられ、発根不良や根腐れを招いてイモの肥大が著しく阻害されます(いわゆる「酸素不足によるつるぼけ」)。
特に粘土質で重い土壌は通気性が悪く、サツマイモ栽培には不向きです。
そのような圃場では高畝(盛り上げた畝)にしたり、腐熟堆肥を入れて土質を改良したりする工夫が必要です。
台風や長雨で畑に水が溜まるような状態も論外で、短期間でも冠水すると生育が大きく後退してしまいます。
水はけの悪い条件下ではイモが十分に肥大できず、ツルだけが無駄に伸びる結果になりがちです。
【原因5】土壌の硬さ・耕うん不足

土が固く締まりすぎている場合も問題です。
塊根(サツマイモ)の膨らむスペースがなく物理的に成長が阻害されるだけでなく、地中の空隙が少ないため前述のように酸素不足にも陥ります。
その結果、根の生育が悪くなり、イモが肥大せずツルばかり茂る(つるぼけ)原因となります。
特に長年耕していない休耕地などで初めてサツマイモを作る場合、硬い土のままだと大きなイモは望めません。
最低でも植え付け前に深めに耕して土を柔らかくし、必要に応じて堆肥などをすき込んで土壌の通気性を高めておきましょう。
【原因6】品種の耐肥性の違い
サツマイモの品種によっても、つるぼけの起こりやすさに差があります。
昔から栽培されている在来系統の品種(例: 「紅赤」や「高系14号」など)は肥料に対する反応が過敏(耐肥力が弱い)で、前作の残肥や施肥量が多いとつるぼけやイモの形状不良を起こしやすいことが知られています。
一方で、近年普及している「ベニアズマ」「べにはるか」「シルクスイート」などの改良品種は比較的耐肥性が高く、ウイルスフリー苗の利用も相まって養分吸収量が多めでも安定してイモが肥大しやすい特性があります。
ただし耐肥性の高い品種であっても限度はありますので、「肥料食いだから」と言って与えすぎればやはりつるぼけ傾向にはなります。
品種特性を把握し、それぞれに応じた施肥加減を心がけることが大切です。
以上のように、つるぼけの背景には「栄養過多(特に窒素)」「日照・温度など気象の不調」「水分過多(排水不良)」「土壌物理性(硬さ)」「品種要因」が複合的に絡んでいます。
これらの要因が重なったとき、より深刻なつるぼけに陥りやすくなります。
裏を返せば、これらの原因に対策を打つことでつるぼけは充分に防止可能ということです。
次の章で、具体的な防止策・対策ポイントを見ていきましょう。
つるぼけを防ぐための対策と栽培のコツ

前章で挙げた原因に対応する形で、つるぼけを防止するための対策ポイントを整理します。
大きく分けて、土壌環境の改善と肥料(特に窒素)のコントロール、そして栽培管理上の工夫の3つが柱となります。
それぞれ具体的な方法を以下に解説します。
土壌・畑の環境を整える(排水対策・耕うん)

水はけの良い畑で栽培することがつるぼけ防止の基本です。
サツマイモを植える場所は、長雨の後でも水がすぐ引くような高台または砂混じりの壌土質の畑が理想です。
湿りがちな低地や粘土質の畑しかない場合は、事前に畝を高く立てて排水を確保し、大雨時に畝間に水が溜まらないよう工夫します。
畝の高さは20cm以上、可能なら30cm程度にすると安心です。
また、植え付け前に深めに耕して土を柔らかくしておくことも重要です。
固い土だと根の張りが悪くイモが太れないため、スコップや耕運機でしっかりと天地返しを行いましょう。
硬質な土壌の場合、完熟堆肥など有機質資材を適量すき込んで土壌の通気性を高めておくと効果的です。(※堆肥は土をふかふかにする一方で、施用量や連用によっては土壌の窒素レベルが上がり、つるぼけリスクが高まる場合もあるため、「完熟を適量」にとどめ、可能なら土壌診断に沿って調整します。)
さらに、畑を選べる場合は「水はけが良く、過度な窒素が残っていない場所」を選ぶのが賢明です。
前作に大量の肥料を投入した圃場ではなく、むしろ痩せ地気味だけれど日当たりの良い畑の方がサツマイモ栽培には向いています。
サツマイモは吸肥力(養分を吸う力)が強く、肥沃すぎる土壌では自ら必要以上に窒素を吸収してしまうため、つるぼけを招きやすいのです。
そのため、特に肥沃な圃場で栽培する際は元肥の窒素成分を思い切って減らすか、場合によっては無施肥でも育てるくらいの姿勢が求められます。
肥料の与え方を工夫する(窒素控えめ・カリ重視)

「肥料を控えめに、特に窒素は極力少なく」を徹底することがつるぼけ予防の最大のポイントです。
具体的には、元肥(植え付け時の肥料)に含める窒素成分の量を他の作物より大幅に減らし、リン酸とカリを主体に施肥設計します。
一般的な野菜用の化成肥料(例えばN-P-K=10-10-10など)をそのまま使うと窒素過多でつるぼけを招きやすいため、サツマイモには窒素を抑えてカリを高めた配合の肥料を選ぶようにしましょう。
目安としてはN:P:K=3:10:10程度、あるいは2:8:8や4:12:12といった「低チッソ・高カリウム型」の成分比が推奨されています。
市販のサツマイモ専用肥料なども、このように窒素を控えめに調整した商品が販売されていますので活用するとよいでしょう。
有機質肥料を使う場合
有機質肥料を使う場合にも注意が必要です。
油かすや鶏ふんなどは緩効性ではありますが、分解が進むと後から窒素が効いてきてしまい、予期せぬタイミングでつるぼけを誘発することがあります。
完熟堆肥やボカシ肥などを用いる場合は、植え付けの約1か月前までに施用を済ませて土になじませておく、あるいは施用量自体を控えめにするといった工夫が必要です。
特に油かす主体の肥料は施肥量やタイミングを誤ると危険なので、初心者であれば避けたほうが無難でしょう。
肥料を与えるタイミング
肥料を与えるタイミングにも配慮します。
元肥として最初に与えた窒素だけでもサツマイモには十分な場合が多く、追肥は原則不要とされます。
特に、8月以降の追肥(特に窒素)はつるぼけを助長しやすいため控えるのが無難です。
ただし、7〜8月に葉色が明らかに落ちるなど欠乏が疑われる場合は、地域の指針に沿って“必要最小限”を検討します。
砂地などでカリ不足が疑われる場合は、窒素を足さずにカリウム中心で必要最小限を補うことで肥大を助ける可能性があります。
実際、カリウムはサツマイモの塊根肥大とでんぷん蓄積に不可欠な要素であり、葉で作られた光合成産物をイモに運ぶ働きを促進する効果があります。
そのため、万一生育途中でつるぼけの兆候(ツルだけ過剰に伸びてイモが太っていない様子)が見られた場合には、カリウム肥料を追加投入することである程度つるぼけを抑制できるとされています。(つるぼけの主因が窒素過多の場合、後からカリを足して治すのは難しいこともあります。)
カリウムの施用は過剰にすると品質面のデメリットもあるため、施用量には注意しましょう。
一旦つるぼけ状態になってしまうと、先述の通りその年の収量を完全に取り戻すことは難しいため、やはり初めから「窒素控えめ・カリウム重視」の肥料設計で臨み、つるぼけそのものを起こさないことが最善策です。
なお、どうしても土壌中の窒素分が高くなりがちな場合には緑肥作物の活用も検討してください。
緑肥(麦・燕麦など)を育てると、土中の無機態窒素を植物体に取り込み、一時的に窒素の効きすぎを和らげる効果が期待できます。
ただし、緑肥をすき込むと分解されて窒素は無機化し、土壌中に循環します。
窒素量そのものを減らしたい場合は、刈り取った緑肥を畑外へ搬出する等、目的に合わせた扱いが必要です。
窒素を蓄えないで土壌改良に役立つ腐葉土を施すのも有効です。
このように土の中の余分なチッソ成分を事前にリセットする工夫によって、翌シーズンのつるぼけ発生を防ぐことができます。
栽培管理の工夫(植え付け時期・つる返しなど)

肥料と土の準備が整ったら、栽培中の管理にもいくつか注意すべきポイントがあります。
植え付け時期
まず植え付け時期と日当たりの確保です。
サツマイモの苗は気温が十分に上がってから定植するようにし、寒い時期に無理に植えないようにします。
植え付けは「晩霜がなくなった後」で、地温15℃以上(目安)を確認して行います。
地域によって適期は前後するため、「4月下旬〜5月」を目安として、気温・地温を優先して判断すると失敗が減ります。
梅雨入り前後の長雨で日照不足になりやすい時期に植え付けた場合は、黒マルチを張って地温と土壌水分を確保し初期生育を促進するのも効果的です(マルチ栽培では苗が焼けないよう注意は必要です)。
いずれにせよ畑の場所はできるだけ日当たりの良い区画を選ぶようにし、周囲の陰にならない配置にしましょう。
生育初期の十分な日照が、その後の健全なイモ肥大につながります。
栽培中のツル管理

次に、栽培中のツル管理についてです。
サツマイモは放っておくとツルがどんどん長く伸び、畑一面に広がります。
ツルが地面に触れると節から根が出ることがあります。
新たな不定根(補助的な根)が出て土に養分を吸収し始めるため、そのままにしておくと養分があちこちの小イモやツル先に分散してしまい、肝心の株元のイモが太りにくくなります。
これを防ぐ目的で「つる返し(ツルを持ち上げて地面から離す)」が行われます。
ただし、現在の品種では節の根が塊根(イモ)になりにくく、つる返しは必須ではないという見解もあります。
ツルを持ち上げる際に茎や葉が傷つくと植物にストレスがかかり、生育がかえって阻害されたり、傷口から病原菌が侵入して病気のリスクが高まったりする恐れがあるためです。
特に真夏の強い日差しの下で葉の裏表がひっくり返ると、一時的に光合成効率が低下し(日焼けで葉が痛む場合もあります)、かえって収量が伸び悩む可能性も指摘されています。
実際のところ、ツル先で小イモができても主作のイモ肥大に致命的な影響を与えるわけではなく、「大きいイモができれば儲けもの」くらいの気持ちで構える方がよいとの声もあります。
家庭菜園レベルではつる返しを適度に行っても大きな問題になるケースは少ないですが、上記のようなデメリットも踏まえ、無理にツルを引っ張って傷めないよう優しく扱うことが大事です。
茎葉が極端に繁茂していない場合は、あえてつる返しをしなくても問題ないでしょう。
要は養分の分散と過剰な日陰を防ぎ、適度な光と風が株全体に行き渡る状態を保つことが目的です。
つる返しに限らず、密生しすぎている葉は適宜持ち上げて位置を変える、込み入ったツルは整理する、といった「つるの整枝管理」をこまめに行えば、つるぼけ防止と病害予防に役立ちます。
水やり管理
最後に水やり管理について触れておきます。
サツマイモは比較的乾燥に強く、自ら深く根を張って水分を吸収するので、定植直後の活着期を除けば頻繁な潅水は不要です。
特に夏場以降は土壌水分が多すぎるとツルばかり繁りイモが太らない傾向があるため、過度な水やりは控え、土の表面が乾いてひび割れるような極端な干ばつ時のみ朝夕に適度な潅水を行う程度にとどめます。
逆に雨が続いた後は畝間に溜まった水を排水するなどして、根が長時間酸欠状態にならないようケアしましょう。
適度な水分ストレス(乾燥気味の環境)はイモの糖度向上にもつながると言われますが、行き過ぎるとイモが肥大せず収量減になりますので、畑の状況を見ながら加減してください。
以上、土壌準備・施肥・栽培管理の各面からつるぼけ対策を説明しました。
以下に主な原因と対策の対応関係を表にまとめますので、復習の参考にしてください。

| 原因となる要因 | 具体的な内容・現象 | 主な対策(予防策) |
|---|---|---|
| 窒素肥料の過多 | 肥料の与えすぎ・残りすぎで茎葉だけ繁茂しイモ肥大が抑制。 特に初期の窒素過多が致命的。 | 基本は無肥料~控えめ施肥にする(窒素は極力減らす)。 元肥では低チッソ・高カリウム肥料を選び、追肥は原則行わない。 前作の残肥が多い場合は思い切って無施肥にする。 |
| 日照不足(気象条件) | 梅雨期など植え付け直後に日照が確保できないと初期発根が停滞し、その後ツルばかり伸びる。 生育後期の長雨もでんぷん蓄積低下を招く。 | 日当たりの良い圃場・時期を選ぶ。 遅霜の心配がなくなってから定植し、長雨シーズンを避ける。 必要に応じ黒マルチで地温確保。 長雨時は畝間排水を徹底する。 |
| 過湿な土壌・排水不良 | 雨続きや低湿地で土壌中の酸素不足・根腐れが起こり、イモが太らずツルだけ繁る。 | 高畝を立てる・排水路を設けるなど物理的排水対策を講じる。 植え付け前に深耕して土を柔らかくしておく。 粘土質土壌では堆肥投入など土壌改良を行い通気性を高める。 生育期間中は過度な潅水を避ける。 |
| 土壌の肥沃すぎ・耕うん不足 | 肥料分や有機質が多すぎる土、硬く締まった土ではサツマイモには過剰環境。 吸肥力が強いため自ら窒素過多になりがち。 硬い土では根張りが悪い。 | 痩せ地~適度な地力の畑を選ぶ(野菜が良くできる肥沃な畑は避ける)。 植え付け前にしっかり耕して土をほぐす。 必要に応じ完熟堆肥を適量施用し土質を改善する。 |
| 品種の耐肥性(肥料反応の差) | 品種によっては肥料過多で葉ばかり茂りイモが肥大しにくいタイプがある。 逆に多肥でも太りやすい品種も。 | 肥料に敏感な品種は施肥量を控えめにし、残肥にも注意。 耐肥性の高い品種は適正施肥で収量向上が期待できるが、過信せず肥料過多に注意。 |
| ツルの不定根による養分分散 | ツルが地面に根付き各所で小イモができると、養分が分散し主根の肥大が鈍る。 ツル同士が重なり日当たりや風通しが悪化することも影響。 | つる返しやつる整理で不要な根を切り、養分を株元に集中させる。 過度な密生を防ぎ、適度にツルを動かして通風と日照を確保する。 ただしつる返し作業は慎重に行い、植物体を傷めないよう注意する。 |
上記の対策を組み合わせて実践することで、ほとんどの場合つるぼけは防ぐことができます。
特に肥料(窒素)の管理と水はけ対策の2点が重要です。
極端に言えば「サツマイモは肥料も水もあまり要らない」というくらいの意識でちょうど良いのです。
窒素の適量は土壌・前作・品種で変わりますが、国内の指針では10aあたり窒素3〜5kg程度を目安とする例があります。
砂丘地など条件によっては7.5kg/10a前後が収益面で有利と示唆された研究もありますが、いずれにせよ窒素の過剰はつるぼけと減収リスクがあるため、「入れすぎない」設計が重要です。
まとめ

ここまで、サツマイモのつるぼけについて原因と対策を詳しく見てきました。
最後に重要ポイントを整理すると、(1)肥料の与えすぎに注意して窒素を控えること、(2)畑の排水と日当たりを良好に保つこと、(3)栽培中もツルの状態を適宜チェックして管理することが鍵となります。
特に窒素肥料は他の野菜以上に慎重な扱いが求められ、「少なすぎるかな?」と感じるくらいが結果的にちょうど良いというのがサツマイモ栽培の特徴でした。
家庭菜園中級者の皆さんであれば、毎年の栽培経験から土壌の癖や天候パターンも把握されていることでしょう。
今年もし「つるぼけかな?」と感じる場面があれば、本記事の内容を思い出してぜひ対策を講じてみてください。
適切な管理を行えば、サツマイモは決して難しい作物ではありません。
むしろ手をかけすぎず「放任ぎみでちょうど良い」くらいのスタンスで育てることで、立派なイモが収穫できるはずです。
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