
さつまいもはホクホクと甘く、秋冬の味覚として人気の野菜です。
しかし「さつまいもは冷蔵庫で保存すべきか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
実は、さつまいもは他の野菜とは少し性質が異なり、保存方法を誤ると風味を損ねたり傷みやすくなったりします。
本記事では、専門家の知見に基づき、さつまいもを冷蔵庫で保存する是非と 常温・冷蔵・冷凍 それぞれの正しい保存方法について詳しく解説します。
保存期間の目安や長持ちさせるコツ、さらには余ったさつまいもの活用法まで紹介します。
さつまいもは冷蔵庫NG?その理由とは
結論から言うと、生のさつまいもは基本的に冷蔵庫での保存に向いていません。
その最大の理由は、さつまいもが 低温に弱い野菜 であることです。
さつまいもは熱帯原産の植物のため寒さに弱く、一般的な冷蔵庫内の温度(5℃前後)は低すぎて「低温障害」を起こしてしまいます。
低温障害にかかったさつまいもは内部が黒く変色したり甘み・風味が損なわれたりするため、美味しく食べられなくなってしまいます。
さらに冷蔵庫内は空気が乾燥しているため、さつまいもにとっては 乾燥も大敵 です。
低温だけでなく乾燥した環境に長時間さらされると、表面から水分が抜けて 皮がシワシワになったり中身が硬くなる 恐れがあります。
このように、冷蔵庫での保管は温度・湿度の両面でさつまいもにストレスを与えてしまうのです。
実際に、日本農業協同組合(JA)など公式機関も「絶対に冷蔵庫に入れてはいけません!」と強く注意喚起しています。(参考:JAなめがたホームページ『さつまいもの保存方法』)
さつまいもは寒さに弱い作物なので、後述するように適切な温度と湿度を保てる環境で保存することが重要です。
冷蔵庫に入れてしまうと傷みが早まったり腐敗の原因になることから、まず「生のさつまいもを冷蔵庫に入れない」と覚えておきましょう。
常温保存が基本!さつまいもを長持ちさせる正しい保存方法
さつまいもを美味しく長持ちさせるには、常温で適切に保存する方法 が基本となります。
具体的には、以下のようなポイントを押さえると良いでしょう。
【保存のポイント1】適温は13~15℃前後
さつまいもの保存に理想的な温度は13~15℃程度とされています。
このくらいの温度帯なら低温障害の心配がなく、かつ発芽や腐敗も起こりにくくなります。家庭では秋~春先の涼しい室内や玄関先、床下収納などがちょうど良い温度になりやすいでしょう。
JAのガイドラインでも、13~15℃かつ湿度90%以上の環境で保存すると腐敗などのロスを最小限に抑えられるとされています。(参考:JAなめがたホームページ『さつまいもの保存方法』)
【保存のポイント2】乾燥を防ぎ適度な湿度を確保
乾燥から守るために、さつまいもは1本ずつ新聞紙や紙袋で包みましょう。
新聞紙やキッチンペーパーでさつまいもを1本ずつ包んで常温保存します。
こうすることで適度な通気性を保ちつつ乾燥を防ぎ、さつまいもがしなびたり固くなったりするのを防げます。
包んだ芋は段ボール箱や発泡スチロール箱に入れ、フタはせずに風通しを良くしておくと湿度を保ちつつ通気も確保できます。
新聞紙は適度に湿気を調整してくれるので、芋の表面が乾燥し過ぎたり、逆に水滴が付いて蒸れたりするのを防いでくれます。
【保存のポイント3】直射日光と急激な温度変化を避ける
保存場所は日の当たらない涼しい場所(冷暗所)が適しています。
日光が当たると温度が上がり過ぎたり、紫外線で品質が劣化する恐れがあります。
また暖房の風が直接当たる場所も乾燥と温度変化につながるため避けましょう。
温度変化が少ない環境に置くことも長期保存のコツです。
以上のように適切に保存すれば、さつまいもは常温でも1~2か月程度と比較的長期にわたって保存可能です。
特に収穫直後の新芋の場合、しばらく寝かせておく(追熟させる)ことでデンプンが糖に変わり、時間とともに甘みが増す という嬉しい効果もあります。
実際、正しい方法で常温保存すれば1か月以上保存でき、追熟によってさらに美味しくなる と報告されています。
さつまいもは貯蔵中に甘みが増す野菜でもあるので、焦らずゆっくり保存しながら味わいが深まるのを楽しむのも良いでしょう。
メモ:土付きのさつまいもは長持ち?
スーパーで買ったさつまいもにはあまり土がついていませんが、直売所や家庭菜園で収穫したばかりの芋は土付きのままのことがあります。土付きのさつまいもは表面の土がクッションとなり、水分蒸発を防いでくれるため比較的長持ちします。
ただし、土が湿っていると雑菌繁殖につながるので、収穫直後は新聞紙の上などで半日~1日ほど日陰干しし、表面の土や水分をしっかり乾かしてから上記の方法で保存しましょう。
濡れたまま保存するとカビが生えやすくなるので要注意です。市販の土付き芋も、表面が濡れている場合は軽く乾かしてから保存するとより安心です。
室温が高いときは?夏場や暖房時の「野菜室」での保存

夏場など室温が15℃を超えるような環境では、常温より冷蔵庫(野菜室)での保存がおすすめです。
特に真夏のように30℃近くまで室温が上がると、さつまいもが傷んだり芽が出たりしやすくなるため、涼しい野菜室に入れた方が安全です。
冷蔵庫の中でも、野菜室は他の室より温度設定が高め(通常約8~10℃程度)で湿度もやや高く保たれているため、さつまいもを入れるなら野菜室が適しています。
冷蔵庫本体の冷蔵室(チルド室)は温度が低すぎる(約5℃以下)ため、そこに入れるとほぼ確実に低温障害を起こしてしまいます。
したがって、さつまいもは冷蔵庫に入れる場合でも野菜室に入れることが必須です。
ただし、冷蔵庫で保存する際にもいくつか注意点があります。
【野菜室での保存の注意点1】新聞紙+ポリ袋で湿度をキープ
野菜室とはいえ冷蔵環境であることに変わりはないため、乾燥と低温から守る工夫が必要です。
おすすめは、1本ずつ新聞紙で包んだ上でポリ袋(ビニール袋)に入れる 方法です。
新聞紙が適度な保湿材になり、さらに袋で覆うことで野菜室内でも芋の周囲の湿度を保てます。
ただし完全に密封すると芋が蒸れてしまう可能性があるため、袋の口は軽く結ぶ程度にして通気を少し確保しましょう。
【野菜室での保存の注意点2】できるだけ短期間で使い切る
冷蔵(野菜室)保存した場合でも、長期保存には向きません。
暑い時期でも2~3日程度であれば鮮度を維持できますが、それ以上置くと少しずつ風味・品質が落ちてきます。
できれば数日~長くても1週間以内を目安に使い切るようにし、それ以上保存が必要な場合は後述の冷凍保存も検討しましょう。
野菜室に入れていても、ときどき芋の状態をチェックし、異常(変色や変な臭い)がないか確認すると安心です。
なお、冬場でも寒冷地など室温が10℃以下に下がりがちな環境では、同様に野菜室での保存や、段ボールを毛布でくるむなど芋を冷やしすぎない工夫が必要になります。
ポイントは人間が「寒すぎる」と感じない場所に置くことです。
暖房の効いた部屋ではなく温度変化の少ない場所で、なおかつ凍結の心配がないよう注意しましょう。
「カットした生のさつまいも」の保存方法

料理でさつまいもを一部だけ使い、切った残りを保存したい場合もありますよね。
切った生のさつまいもは空気に触れるとすぐに酸化して黒ずみ、乾燥も進みやすいです。
そのため、切り口の酸化防止と乾燥対策をして冷蔵保存する必要があります。
方法は主に2通りあります。
【保存方法1】ラップで包んで野菜室へ
使いかけのさつまいもは、切り口全体をぴったりとラップで覆いましょう。
ラップで空気を遮断することで変色を抑え、水分の蒸発も防げます。
その上でポリ袋に入れるか保存容器に入れて、野菜室で保存します。
この方法で保存できるのは2~3日程度が目安です。
次に使うときは、念のため変色した切り口部分を薄く切り落としてから調理すると良いでしょう。
【保存方法2】水に浸して保存容器へ
もう一つの方法は、切った芋を水にさらしてから冷蔵保存する方法です。
ボウルなどに水を張り、切ったさつまいもを2~3分水にさらしてアク(渋み成分)抜きをします。
その後、芋が 完全に浸かる程度の水 を張った保存容器に移し、フタかラップをして野菜室に入れます。
保存中は1日1回水を清潔な水に交換してください。
水に浸すことで空気を遮断できるため変色をかなり抑えられますし、適度な水分で芋が乾燥するのも防げます。
この方法でも保存期間はせいぜい2日程度ですので、できるだけ早めに使い切りましょう。
水に浸す方法はひと手間かかりますが、次に使う際にそのまま鍋や電子レンジに投入できる利点があります。
水に浸けておく間に若干の栄養や風味は抜けますが、その便利さは捨てがたいですね。
いずれにせよ、切ったさつまいもは早めに使い切ることを心がけ、長期保存は避けましょう。
さつまいもは冷凍保存できる?上手な冷凍方法
さつまいもは冷凍保存することも可能です。
使いきれない場合や、調理済みの芋を長く楽しみたい場合には冷凍が有効です。
ただし、生のまま凍らせると食感の劣化が起こりやすいため、できれば一度加熱してから冷凍することをおすすめします。
以下に状態別の冷凍方法とポイントをまとめます。
【冷凍保存方法1】生のまま冷凍
生のさつまいもを冷凍する場合は、食べやすい大きさに皮付きのままカットし、水にさらしてアク抜きした後、水気をしっかり拭き取ってから行います。
平らにならして冷凍すると使う分だけ取り出しやすくなります。
カット後すぐにラップや保存袋に入れ、できるだけ平らな状態で冷凍庫へ入れます。
急速冷凍機能があれば活用すると良いでしょう。
保存期間の目安は約1か月で、使うときは解凍せず凍ったまま加熱調理します(味噌汁や煮物に凍ったまま入れて加熱するなど)。
ただし生冷凍は食感がややボソッとしやすいため、気になる方は次の方法がおすすめです。
【冷凍保存方法2】加熱してから冷凍
さつまいもを蒸す・茹でる・電子レンジ加熱するなどして火を通してから冷凍すると、組織が柔らかくなっている分、解凍後の食感劣化が抑えられます。
例えば、輪切りにした芋を電子レンジ加熱してホクホクに火を通し、粗熱を取ってから保存袋に入れて平らにならし冷凍します。
あるいはさつまいもを丸ごと1本焼き芋にしてから冷凍するのも美味しい保存法です。
調理済みを冷凍しておけば、食べたいときに自然解凍するだけで食べられるか、あるいはスープやサラダの具材に凍ったまま加えることもできます。
(※焼き芋の冷凍方法に関しましては『焼き芋を「上手に冷凍する方法」をわかりやすくご説明します』のページで詳しくご説明していますので、ご参照下さい。)
【冷凍保存方法3】マッシュ(ペースト状)して冷凍
さらにひと手間かけて、さつまいもをマッシュ状(つぶした状態)にしてから冷凍すると、解凍後にそのままスイートポテトやお菓子作りに使えるので便利です。
茹でるか電子レンジで加熱して柔らかくした芋の皮を除き、すりこ木などで潰してから保存袋に平たく入れて冷凍します。
袋の上から割り箸で筋目をつけておけば、凍ったままパキッと必要分だけ折って取り出せるので無駄がありません。
冷凍したさつまいもも保存期間は約1か月が目安です。
長く置くほど風味が落ちてしまうため、早めに食べきるようにしましょう。
また冷凍焼き芋は、冷凍庫から出して 5~10分ほど常温に置けばアイス感覚でひんやりスイーツになる というユニークな楽しみ方もできます。
実際に「食べ残した焼き芋は、冷凍すれば焼き芋アイスになります。室温で5分ほど自然解凍すれば、おいしく食べられます」との報告もあるほどです。
(※冷凍焼き芋の解凍方法に関しましては『冷凍焼き芋の解凍方法|電子レンジ・オーブンなど器具別のコツと失敗対策』のページで詳しくご説明していますので、ご参照下さい。)
保存方法別の比較まとめ
最後に、さつまいもの保存方法ごとのポイントと保存期間の目安を比較表にまとめました。
それぞれの方法のメリット・デメリットを把握して、状況に応じたベストな保存を心がけましょう。
| 保存方法 | 保存期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 常温保存(13~15℃の冷暗所) | 約1~2か月程度 | 基本の保存法。新聞紙などで包み乾燥を防止。 直射日光NG、風通し良くして涼しい場所で管理。 適温で追熟させると甘みUP。 |
| 冷蔵保存(野菜室、短期) | 数日~1週間程度 | 室温が高い時のみ推奨。 必ず野菜室を使用。 新聞紙+ポリ袋で保湿し低温障害を予防。 早めに使い切ること。 |
| 冷凍保存(生のまま・加熱後) | 約1か月程度 | 長期保存向き。 生のままより加熱後冷凍が風味◎。 使うときは解凍せず調理OK。 焼き芋を冷凍すればアイス代わりにも! |
※上記の保存期間は目安です。さつまいもの鮮度や環境によって変動しますので、状態をこまめに確認し早めに消費することを心がけましょう。
まとめ

さつまいもは冷蔵庫で保存すると低温と乾燥によるダメージを受けやすいため、基本は常温で保存するのが正解です。
適度な温度(13~15℃前後)と湿度を保てるよう工夫し、新聞紙で包むなどひと手間かけることで、さつまいもの美味しさを長持ちさせることができます。
ただし真夏や暖房の効いた室内など、高温環境では野菜室で短期間保存し、その間に使い切るようにしましょう。
また、切った芋や調理済みの芋はそのまま放置せず、状況に応じて冷蔵・冷凍を使い分けることが大切です。
冷凍保存も上手に活用すれば、さつまいもを無駄にせず最後まで美味しく楽しめます。
旬の時期にたくさん手に入ったさつまいもも、正しい保存方法を知っておけば怖くありません。
ぜひ今回紹介した方法を試して、大地の恵みであるさつまいもを最後の一口まで美味しく味わってください。
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