
きみまろことは?新登場の白いサツマイモ

きみまろこは、ミヨシグループが育成した白皮のサツマイモで、品種登録出願上は「MYIPB041」(出願番号37245)として2024年1月24日に出願され、同年5月20日に出願公表されています。(参考:出願公表データベース)
開発・育成はミヨシグループが手がけ、品種登録出願者は株式会社ミヨシです。
三好アグリテック株式会社(山梨県北杜市)は、苗の取扱い・情報発信などを担っています。

最大の特徴はその見た目で、通常サツマイモといえば赤紫色の皮を思い浮かべますが、きみまろこは皮の色が白色をしています。
一方、果肉の色は加熱調理すると卵の黄身のような濃い黄金色になり、その白い皮と鮮やかな黄色い中身のコントラストが目を引くインパクトを持っています。
開発元は山梨県北杜市の種苗会社・三好アグリテック株式会社で、10年以上の歳月をかけて品種改良を重ねて生み出されました。
もともと焼酎用など加工用に白い皮の品種は存在しましたが、そのまま食べて美味しい白いサツマイモという「常識を破る新品種」として誕生したのがきみまろこなのです。
2024年に品種登録が行われた後、テレビ番組で紹介されるなど徐々に注目を集めているサツマイモ界のニューフェイスです。
なお、きみまろこは品種登録出願中(出願番号37245)として案内されており、営利目的での増殖は控えるよう注意喚起されています。また海外への持ち出し制限にも触れられています。
参考サイト
- 三好アグリテック株式会社ホームページ『きみまろこ』
- 三好アグリテック株式会社ホームページ『きみまろこ』
- 一般財団法人いも類振興会ホームページ『きみまろこ(青果用)ねっとりで甘く、表皮が真っ白な新世代のサツマイモ』
- TOKYO FM:あぐりずむ 2024/11/07 レポート:皮が白い!新たな品種のサツマイモ『きみまろこ』
【開発の背景】白い皮のさつまいもへの挑戦
きみまろこの開発は、「サツマイモといえば紅色の皮」という従来の常識を打ち破りたいという、ひとりの育種家の強い思いからスタートしました。
三好アグリテック社では数千もの育種素材から白皮で食味の良い品種を目指して交配と選抜を繰り返し、最後の1本に選ばれた苗が「きみまろこ」だったといいます。
品種開発の期間は実に10年以上にも及び、この長年の試行錯誤の末にようやく誕生した特別なサツマイモです。
開発段階では仮称「MYIPB041」として管理され、2024年に同名称で品種登録出願が行われました。
白い皮で粘質(しっとり系)の品種は国内でも極めて珍しく、近年人気の紅はるかなど既存の優良品種に匹敵する食味と生産性を目指して開発されています。
きみまろこは白皮系では異例の貯蔵性(保存性)の良さも兼ね備えており、貯蔵性の評価として、温度10~12℃・湿度80%の暗黒条件(キュアリング無し)での貯蔵試験では、7か月経過時の塊根異常が約10%程度にとどまり、「べにはるか」並みの貯蔵性能が報告されています。
こうした背景から、きみまろこは「紅はるかと肩を並べる新ジャンルのサツマイモ」となる可能性もあり、今後の普及が期待されています。
【名前の由来】「きみまろこ」に込めた意味

ユニークな名前もこの品種の話題のひとつです。
きみまろこという名前には、開発者の愛情とサツマイモの特徴が込められています。
まず「きみ」は卵の黄身(きみ)のような鮮やかな黄色い果肉に由来し、「まろ」はまろやかな舌触りから来ています。
最後に親しみを込めて「〇〇子」と呼ぶように可愛らしい響きの「こ」を付け、「きみまろこ」という名前になりました。
その名の通り、卵の黄身のような色合いとまろやかな食感を持つサツマイモにふさわしいネーミングです。
また少し変わった名前にしたのは、「たくさんのサツマイモ品種がある中で愛着を持って呼んでほしい」という願いも込められているそうです。
開発者にとっては我が子のように大切に育てた品種だけに、名前からも深い愛情が感じられますね。
【見た目の特徴】白い皮と黄金色のコントラスト

見た目について、最大の特徴である皮色は白~黄白(淡白)系で、一般的な赤紫系のさつまいもと並べると「白っぽさ」が際立ちます。
一般的なサツマイモ(紅あずまや紅はるか等)は赤紫~紅色の皮が普通なので、白~黄白(淡白)系の見た目のサツマイモは非常に珍しく、一目で「これは今までのサツマイモと違う」と分かります。
きみまろこを切ってみると中の生の果肉は淡いクリーム色ですが、加熱すると鮮やかな黄金色に変化します。
まるで卵黄のように濃い黄色で、見た目にもとても美しく食欲をそそる色合いです。
この白と黄金色のギャップがきみまろこ最大の魅力の一つで、紅色のサツマイモと紅白セットで並べると縁起が良いとも言われています。
お正月やお祝いの場で紅白のサツマイモを使った料理にすれば、話題性も抜群ですね。
【甘さと食感の特徴】なめらかで濃厚なおいしさ

きみまろこは食感となめらかさの面でも際立った特徴があります。
繊維質が非常に少ないため舌触りは驚くほど滑らかで、口の中でほろっと崩れるようなクリーミーさがあります。
一般的なしっとり系サツマイモ(紅はるか等)よりも繊維が少なくきめ細かな肉質で、プリンなど滑らかなスイーツ作りにも最適です。
また、ねっとりと濃密な甘みも特筆すべき点です。
焼き芋にすると蜜がにじむほど糖度が高く、冷めても甘さがしっかり感じられるためスイートポテトなどに加工しても美味しさが際立ちます。
一口食べれば思わず笑みがこぼれるようなやさしい甘さで、後を引くおいしさです。その甘さと食感の秘密の一つに熟成による変化があります。
収穫直後のきみまろこはやや粉質で甘さも控えめですが、30~50日以上貯蔵すると徐々に粘質に変化し、糖度も向上すると報告されています。(参考:一般財団法人いも類振興会ホームページ『きみまろこ(青果用)ねっとりで甘く、表皮が真っ白な新世代のサツマイモ』)
つまり、収穫後しばらく寝かせた方が本来のねっとり甘い食感を楽しめる品種なのです。
このようにきみまろこは、とろけるような滑らかさと強い甘みを兼ね備えた、新感覚のサツマイモといえるでしょう。
加熱すると果肉が鮮やかな黄金色になる「きみまろこ」。
繊維が少ないため舌触りが極めてなめらかで、焼き芋にするとスイーツのような濃厚な甘さが楽しめます。
他の品種との比較表
きみまろこの特徴を、代表的なサツマイモ品種と比べてみましょう。
紅はるかは現在広く栽培されている粘質系(しっとり系)の品種で、焼き芋ブームを牽引してきた存在です。
一方、紅あずまは関東を中心に昔から親しまれてきたホクホク系の品種です。
それぞれの違いを簡単にまとめると以下のようになります。
| 品種名 | 皮の色 | 加熱後の果肉の色 | 食感の特徴 | 甘さの傾向 |
|---|---|---|---|---|
| きみまろこ | 白色 | 濃い黄金色 | 極めてねっとり・超なめらか | 非常に甘い(熟成で糖度アップ) |
| 紅はるか | 赤紫色 | 濃い黄色 | ねっとり・しっとり(滑らか) | 非常に甘い(焼くと蜜が出る) |
| 紅あずま | 赤紫色 | 淡い黄色 | ホクホク(粉質でほくほく系) | ほどよい甘さ(素朴な甘み) |
表:きみまろこと他品種の比較(紅はるかは粘質系の代表品種、紅あずまは粉質系の代表品種)
紅はるかと比べると、きみまろこは皮の色が白い点が最大の違いですが、それ以外にも舌触りのきめ細かさで上回るという特徴があります。
紅はるかも焼くと蜜が出るほど甘い品種ですが、きみまろこも負けず劣らず強い甘みを持ち、しかも冷めても美味しいと言われます。
一方、紅あずまのようなホクホク系(粉質系)品種と比べると、きみまろこのしっとり感・滑らかさ・甘さの強さはまさに正反対で、全く新しいジャンルのサツマイモと言えます。
このように、きみまろこは既存の人気品種とも異なる個性を持っており、食べ比べても楽しめる魅力があります。
美味しい食べ方・調理法のポイント
それでは、きみまろこの美味しい食べ方の例をご紹介したいと思います。
焼き芋

きみまろこの美味しさを最大限に引き出す調理法として、やはりおすすめは焼き芋です。
時間をかけてじっくり加熱するとデンプンが糖に変わり、甘みが最大限に引き出されます。
焼き上がったきみまろこは中から蜜があふれるほどの濃厚な甘さと、まるで天然のクリームのようになめらかなねっとり感を楽しめます。
ホイルに包んで石焼き芋にしたり、オーブンやトースターで低温じっくり焼きにすることで、そのポテンシャルを十分に発揮します。
また、冷めても甘さとなめらかさが保たれるので、焼き芋を冷やしてスイーツ感覚で味わうのも面白いでしょう。
滑らかな食感を活かしたスイーツ

一方、その滑らかな食感を活かしたスイーツ作りもぜひ試してみたいところです。
きみまろこは繊維が少なくきめ細かいので、一般的な品種より裏ごしの負担が少ないのが魅力です。
そのため、ペースト状にしても口当たりがざらつかず、とてもクリーミーです。
なめらかさを重視する場合は、公式レシピ同様に目の粗いザルで一度こすと、だまが残りにくく仕上がりが安定します。(参考:三好アグリテック株式会社ホームページ『なめらか芋プリン』)
他にもモンブランやスイートポテト、スイーツポテトタルトなど、鮮やかな黄金色と滑らかさを活かした洋菓子作りに最適です。
きみまろこを使えば、お菓子作りのレベルがワンランクアップするかもしれません。
和風スイーツ
和風にも応用でき、例えばきみまろこで作るスイートポテト餡をどら焼きやパンケーキに挟めば、断面の白と黄が映えて楽しめるでしょう。
さらに、きみまろこの特徴である調理後の色持ちの良さも見逃せません。
通常、サツマイモを加熱調理すると時間が経つにつれて褐色に変色(褐変)してしまうことがありますが、きみまろこは調理後に時間が経っても鮮やかな黄金色が褐変しにくい特性があります。
このため、きみまろこを使ったスイートポテトや干し芋などは色鮮やかに仕上がりやすく、見た目にも美しく作ることができます。
実際、干し芋(乾燥さつまいも)への加工適性もあると報告されており、今後きみまろこの干し芋が登場する日も近いかもしれません。
流通状況と今後の展望

現在、きみまろこは登場したばかりの新品種であるため、生産量はまだ多くありません。
開発元の三好アグリテックによれば「まだ世の中にたくさん出回っていないが、これから育てる農家さんが増えて広まっていく予定」とのことで、今後の生産拡大に期待が寄せられています。
2024年は試験的な生産・流通の段階で、流通量が増えるのは2025年秋頃と紹介されています。
現時点(2026年1月)では生産量が限られるため、購入できるタイミングや販路にはばらつきがあります。
たとえば楽天のふるさと納税の返礼品や、農家直送サイトの「食べチョク」でも出品例があり、運が良ければお取り寄せで手に入れることも可能です。
ただし非常に人気が高く「幻のサツマイモ」状態になっていることもあり、販売開始後すぐに完売してしまうケースもあるようです。
入手難易度は現状やや高めですが、各地のイベントやアンテナショップ、直売所などで見かけた際はぜひ手に取ってみてください。
きみまろこはそのユニークな見た目と極上の食味からメディアにも注目され始めています。
日本テレビ系列の料理番組『満天☆青空レストラン』の2025年12月6日放送回で白いサツマイモとして紹介され、大きな反響を呼びました。
また地元山梨のニュースでは「食卓をカラフルにする新品種」として10年越しの開発エピソードが報じられています。(テレビ山梨『「食卓をカラフルに楽しく食べて」白いサツマイモ“きみまろこ”』
こうした露出により認知度が上がるにつれ、生産者の間でも「作ってみたい」という声が増えており、全国的な普及に向けた動きが加速しています。
三好アグリテックでは公式キャラクター「まろこ」ちゃんも誕生させ、紅白で縁起の良いサツマイモとしてPRに力を入れているとのこと。
今後、きみまろこが定番の人気品種として定着し、私たちの食卓を彩ってくれる日が楽しみですね。
まとめ

白い皮に黄金色の中身という斬新なルックスと、ねっとり滑らかな極上の食感・甘さを兼ね備えた「きみまろこ」は、まさにサツマイモの新時代を感じさせる逸品です。
長年愛されてきた紅はるか等の良さはそのままに、色や舌触りといった面でこれまでにない驚きを与えてくれます。
開発者の「常識を覆したい」という挑戦から生まれたこの品種は、その名の通り黄身のように鮮やかでまろやかな味わいで、食べた人を笑顔にしてくれることでしょう。
まだ市場では珍しい存在ですが、だからこそ見つけたら食べてみる価値は大いにあります。
白い皮と鮮やかな黄金色のギャップ、クリーミーな舌触りと濃厚な甘み——きみまろこは食べる人に新しいサツマイモ体験を提供してくれます。
焼き芋好きな方もスイーツ作りが好きな方も、ぜひ機会があればこの話題の新品種を味わってみてください。
きっと「また食べたい!」と思える、やみつきの美味しさに出会えるはずです。
最後に、きみまろこの紅白コントラストには「縁起が良い」という側面もあります。
今後お祝いの席やギフト用のサツマイモセットなどで活躍する可能性も秘めています。日本の食卓をカラフルに楽しくしてくれる新星サツマイモ「きみまろこ」に、これからも注目していきたいですね。
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