
焼き芋を買うときに「Sサイズ」「Mサイズ」「Lサイズ」などと表示されていることがありますが、「正式な重さの基準」は存在するのでしょうか?
焼き芋好きの方なら、「このサイズって何グラムくらいなんだろう?」と疑問に思ったことがあるかもしれません。
この記事では、焼き芋の原料である生のさつまいものサイズ規格や、実際に全国の焼き芋専門店・スーパー・移動販売で使われているサイズごとの重さと価格の目安、さらには焼く前後で重さがどう変化するかなど、焼き芋選びに役立つ知識を分かりやすくご説明したいと思います。
焼き芋サイズに公式の重量基準はある?

まず結論から言うと、焼き芋自体のサイズ(S・M・L等)について、法律や業界団体で定められた正式な重量基準は存在しません。
農林水産省や主要なさつまいも関連団体のサイトでも、「焼き芋」という調理済み食品のサイズを規定するルールは見当たりません。
焼き芋は各店舗や販売者が独自の基準でサイズ分けしているのが現状です。
これは、生鮮食品の規格が主に生の農産物に対して定められているためです。
焼き芋は調理後の食品であり、生鮮のさつまいものように公的な規格の対象にはなっていません。
したがって、「焼き芋のSサイズは○○g~○○g」などの統一規格はなく、販売者ごとの経験や感覚で決められているのが実態です。
「公式な基準がない」というと少し不安になるかもしれません。
実は、焼き芋の原料である生のさつまいもにはきちんとしたサイズ区分の基準があります。
焼き芋のサイズ表示も、この生芋の規格を参考に慣例的に使われている場合が多いのです。
生のさつまいも(かんしょ)の規格

それでは、「生のさつまいも」の規格について見てみましょう。
焼き芋の元になる生のさつまいもは、「かんしょ」として出荷や市場取引の際に等級(形状や見た目)と階級(サイズ)によって分類されています。
例えば農協(JA)や市場では、さつまいもを「A」「B」「丸」など品質の等級で分け、さらに「S」「M」「L」「2L」...といったサイズ区分で重さによる階級分けをしています。
等級(形状や見た目)

まず等級についてみてみましょう。
「秀・優・良」といった等級(ランク)はあくまで形状や見た目の良さで決まるもので、味の良し悪しとは関係ありません。
見た目が綺麗で形が揃っている「秀品」は市場価格も高くなりますが、糖度など味そのものの差ではないのです。
したがって、見た目が多少不揃いな「良品」でも美味しいさつまいもは沢山あります。
階級(サイズ)

次にサイズ区分(階級)です。
一例として、サイズ区分は「2S・S・M・L…」のように表されることが多いですが、重量レンジは産地・出荷先・品種・早掘り/普通掘りなどで変わります。
例えば、茨城県の出荷規格では 2S=50~100g、S=100~200g、M=200~350g…という区分が示されています。
また、JA全農の出荷規格表でも、早掘りと普通掘りで区分幅が異なる例があります。 (※参考:JA全農ひろしまホームページ『出荷規格表』)
このように呼び名は似ていても、グラムの範囲は統一ではない点に注意が必要です。

以下のようにそれぞれの生産者や市場関係者によって生のさつまいもには重量による明確なクラス分けがあります。
このような原料芋の重量基準が、焼き芋のサイズ感や価格設定のベースになっているのです。
生産者や市場関係者にとってサイズ規格は品質管理と取引価格の基準として重要です。
サイズが揃っていると箱詰め数量を均一にしやすく取引がしやすい一方で、高値になりやすいサイズは用途で変わります。
近年は焼き芋需要の増加により、焼き芋に適したS~Mサイズが高値で取引されるケースも報告されています。
そのため「大きい=高値」と一律に言い切るのではなく、用途・取引先で評価が変わると言えます。
まとめると、焼き芋そのものに公式規格はなくても、生のさつまいもの等級・サイズ規格という土台が存在し、それが「S・M・L」といった表示の裏付けになっています。
焼き芋販売現場でのサイズの目安

次に、実際の焼き芋販売現場でS・M・Lがどれくらいの重さ・価格で扱われているかを見てみましょう。
公式な焼き芋サイズ基準は無いとはいえ、全国の焼き芋専門店やスーパー、移動販売の現場では共通する大まかなサイズ感が存在します。
筆者が調査した範囲では、多くの店舗で下記のような目安でサイズ分け・価格設定がされていました。
Sサイズ(小さい焼き芋)
焼き上がりで概ね100~150g程度。
手のひらに収まる小ぶりな一本です。
価格は1本あたり 150~250円程度 が多く、子どものおやつや食べ歩きにちょうど良いサイズです。
小さい分、中まで火が通りやすくホクホクになりやすいというメリットがあります。
複数を食べ比べしたいときにもSサイズは便利です。
Mサイズ(中くらいの焼き芋)
焼き上がりで 150~300g程度 が一般的で、最も標準的なサイズ感です。
長さにすると20cm前後、直径4~5cm程度のことが多いです。
価格は 300円前後 が相場で、大人が1本食べて満足できるボリュームです。
紅はるかなどねっとり系品種の甘さをしっかり味わうなら、このくらいのサイズが食べ応えもありおすすめです。
Lサイズ(大きい焼き芋)
焼き上がりで 250~400g超え のもの。
ずっしり重く、見た目のインパクトも大です(生の状態では300g以上の2L~3L級だったもの)。
価格は1本 400~600円程度 とやや高めになりますが、その分中身が詰まってしっとり甘いものが多いです。
ただし、大きいほど糖度が高いと一概には言えません。

甘さや蜜感は、品種・貯蔵(熟成)・加熱温度帯と時間などの影響が大きく、研究では小さな塊根で蒸し芋糖度が高まる傾向が示唆された例もあります。 (参考:『塊根サイズがサツマイモの糖度関連因子に及ぼす影響』)
焼き芋1本の重さの目安
一般的には長さ20cm程度の焼き芋1本で焼き上がり200~300gほどあります。
この範囲を中心に、小さいもの・大きいものがSやLと呼ばれていると考えるとわかりやすいでしょう。
たとえばスーパーの焼き芋コーナーでは量り売りの場合「100gあたり○円」と表示されていて、手に取った焼き芋が何グラムか量りで示されることがあります。
「小ぶりだと120gくらい、大きいと300g超えるかな」という感覚で選ぶと良いでしょう。
実際の価格はお店によって様々ですが、重量あたりの単価(例:100g=○○円)で計算されているケースもあれば、サイズごとにだいたいの値段が決まっているケースもあります。
店舗販売や移動販売では「Sサイズ200円、Mサイズ300円、Lサイズ500円」などと表示して販売している焼き芋屋さんを見られることもあると思います。
繰り返しになりますが厳密な基準は無いので、SとMの中間くらいの大きさだとお店の裁量で価格を決めていることもあります。
とはいえ、上記のような慣例的な目安があるため、消費者としても大まかな量と値段の関係を把握しておくと便利です。
焼くと重さはどれくらい変わる?水分蒸発による重量減少

ここで疑問に思う方もいるかもしれません:「生のさつまいも○○gが焼き芋になると何グラムになるの?」。
実はさつまいもは焼くことで水分が飛ぶため、重さが減少します。
具体的にはどのくらい減るのでしょうか。
さつまいもの主成分は約60~70%が水分です。
これを加熱すると、内部の水分が水蒸気となって外へ逃げていきます。
高温で長時間焼くほど、より多くの水分が蒸発し軽くなります。
大きなさつまいもは火が通るのに時間がかかり、水分が抜けやすい傾向があったり、品種によってもともとの水分含有量が異なったりするため、一概にどれくらい軽くなるとは断定できませんが、一般的には、さつまいもは焼くと生のときより約15~30%ほど軽くなると言われています。
目安としては「焼き上がり=生の約70~85%」程度で見ておくと、極端に外しにくいでしょう。

この水分減少のおかげで、焼き芋は甘みが強く感じられるようになります。
さつまいもに含まれるデンプンが加熱で糖に変わることに加え、水分が抜けて味が濃縮されるためです。
紅はるかなどは元々水分が多く蜜が出やすい品種ですが、焼くことでホクホクねっとり感と甘さがさらに引き立つのはこうした理由があります。
焼き芋サイズの比較表(生芋と焼き上がり重量の目安)

ここまでの情報をまとめてサイズごとの比較表を作成しました。
生のさつまいもの重さから焼き上がり後の重さ、そして各サイズの特徴やおすすめの食べ方を一覧にしています。焼き芋選びの参考にしてください。
| サイズ表示 | 生さつまいもの重さ(目安) | 焼いた後の重さ(目安) | 特徴・おすすめの食べ方 |
|---|---|---|---|
| Sサイズ(小) | 約100~200g程度 | 約70~170g程度 | 小ぶりで食べきりやすいサイズ。 おやつや子供のおやつにぴったり。 複数種類を食べ比べたいときにも◎。 ホクホク系品種だと小さくても火が通りやすく美味しいです。 |
| Mサイズ(中) | 約200~350g程度 | 約140~300g程度 | 標準的なサイズで満足感あり。 一人分のデザートや軽食に最適。 紅はるかなどねっとり系品種なら蜜たっぷりで甘みを十分楽しめます。 迷ったらまずこのサイズ。 |
| Lサイズ(大) | 約350~500g程度 | 約250~420g程度 | 大きく食べ応え抜群。 ずっしり重いのでシェアしても◎。 ゆっくり焼くと中心まで柔らかくなり蜜が染み出します。 甘党の方にはたまらない贅沢サイズで、スイーツ代わりにも。 |
※生の重さはJA等の一般的な区分を参考にしています。焼いた後の重さは調理法や芋の個体差で変動しますが、おおむね生の約80~90%程度になるとお考えください(ホイル包み焼きなら減少少なめ、石焼きならやや多めに減少)。
上の表からも分かるように、サイズによって見た目のボリュームだけでなく食感や味わいも微妙に変わるのが焼き芋の面白いところです。
小さい焼き芋は皮と身の割合が大きくなるため香ばしさが楽しめ、逆に大きい焼き芋は中の身がたっぷりでしっとり感が増します。
ぜひ色々なサイズ・品種の焼き芋を試して、自分のお気に入りを見つけてみてください。
まとめ

この記事では「焼き芋そのものに正式な重量基準はない」が「生さつまいもの規格と慣例的なサイズ目安が存在する」ということをご説明させていただきました。
焼き芋のサイズ表示(S・M・Lなど)は各販売者が独自に決めていますが、背景として、生芋(かんしょ)にはS/M/L等のサイズ呼称を用いた出荷規格が存在します。
つまり、厳密なルールこそ無いものの、業界全体で暗黙の了解的に使われているサイズ感があるのです。
ただし、そのグラム帯は産地・規格・用途で統一ではないため、最終的には店頭の表示(g数や量り売り単価)で確認するのが確実です。
大きさは食べ応えに影響しますが、美味しさは品種や鮮度、焼き方によって決まります。
等級表示のところでも触れましたが、見た目が多少劣る良品でも十分甘く美味しいことがあります。
サイズ表示にとらわれすぎず、「今日は小腹が空いたからSサイズにしよう」「がっつり味わいたいからLサイズを買おう」といった具合に、シーンに合わせてサイズを選ぶのがおすすめです。
焼き芋のサイズに迷ったときは本記事で紹介した重さの目安や特徴を思い出してみてください。
知識を持って選べば、「この焼き芋は重さ○○gくらいかな、値段はこれくらいかな」と予想も立ち、買った後の満足感も高まるはずです。
「今日はどのサイズの焼き芋にしようかな?」と迷う時間も含めて、ほくほく甘い焼き芋タイムを存分に楽しんでください。
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